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ソーサツ・ホーシ・ツイッター・アーカイブ・プラス

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操刷法師が戦闘用twitterアカウント(@sosatsuhoshi)で議論した事柄に補足を加えて記録するもの。魔術について、欲望について、表現の自由について、文芸について。
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#ポケモン

twitterアーカイブ+:ゲーム『Pokémon LEGENDS アルセウス』感想

初報(2021.02.27):錯乱期 ……まず、私の思うダイパの魅力とは第一にシンオウ地方の危うさを孕んだ「雰囲気」なのであり、既に剣盾で円熟に至った臨場感演出の技法が投入されるなら非常に期待が持てる。そして、アルセウスの物語がアンノーンとレジ系とウルトラホールの謎を解く鍵になることを私は期待する。

 アンノーンとアルセウスとミュウはどのような系統関係を持つのか。レジギガスはウルトラビーストなの

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twitterアーカイブ+:映画『劇場版ポケットモンスター ココ』感想

前夜 サトシが父親についてこれまで言及しなかったことには理由がある。サトシが旅の身の上であるというのが、その理由だ。ポケモンとは心的過程であるというテーゼに立って考えるならば、父親即ち「父の名」とはサトシが踏み込んでゆく世界の秩序そのものなのであり、キャラとして存在する必要が全くない。

 その意味で、サトシ(レッドも)の父親の役割を何らかのキャラクターに負わせるなら、それはポケモンの分類学を提唱

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twitterアーカイブ+:映画『ミュウツーの逆襲 EVOLUTION』感想

「ミュウツーの逆襲EVOLUTION」を観てきた。ミュウツーの逆襲だった。意外なほどにミュウツーの逆襲。ミュウツーの逆襲を知る人でこれから観る人は安心してよい。「脚本 首藤剛志」と書くだけのことはある。

 だが、EVOLUTIONがミュウツーの逆襲に何か新しい価値を付け加えたかと言えば、そこはまだ私もはっきりとは分からない。市村正親氏の今の演技を聴くことができた、というのは新しい価値の一つではあ

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twitterアーカイブ+:映画『名探偵ピカチュウ』感想

「名探偵ピカチュウ」を観てきた。ストーリーはアニメ映画版並に単純だが、ポケモンの造形をはじめビジュアルが良いのであまり気にならない。プラズマ団の理想そのもののような都市の裏路地で違法バトルが開催されているような庶民生活の泥臭さは、確かにアニメの延長では描けなかっただろう。

 ポケモンはもはや採集されるべき昆虫ではなく、ポケモン世界はもはや理想的な夢と冒険の世界ではない。我々は、「ポケモンと人間の

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twitterアーカイブ+:映画『劇場版ポケットモンスター みんなの物語』感想

前夜「みんなの物語」というタイトルは、ルギア爆誕のテーマであった「共生」に通じる。しかし、それは先にミュウツーの逆襲で「自己存在」を語っておいたからこそ、次のステップとして提示できたテーマだ。「キミにきめた!」は自己存在の物語ではない。自己存在なき共生(ハイデガーか?)を描けるのか?

 ルギアは自らを評して、「私は私が幻であることを願う。それがこの星にとって、幸せであるなら」と言った。ここにこそ

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twitterアーカイブ+:映画『劇場版ポケットモンスター キミにきめた!』感想

映画一回目 劇場版ポケモン(舞台挨拶回)を観た。以下、ネタバレを排除しながら所見を述べる。

 この映画を、いつものクソ劇場版と言ってしまうのは容易い。過去作の要素をリサイクルした雑なお涙頂戴だと非難することも。しかし、これを一つのストーリーというよりイメージビデオとして捉え、ポケモンの世界観についての製作者側からの立場表明と解すれば、本作の持つ歴史的意義は極めて重い。

 本作には無駄なシーンが

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twitterアーカイブ+:ポケモンGOでミュウツーを捕まえた時の話

前編 実は年末に帰省の折、私はポケモンGOでミュウツーを捕獲している。事の次第はこうだ。レイドバトルに明け暮れていた私の母(レベル39)のもとに、ある日EXレイドの招待状が届いた。指定された日時に外せない仕事の入っていた母が目をつけたのは、ちょうどレイドの前日に帰ることになっていた私だった。

【オール・ユー・ニード・イズ・ゴー(前編)】

 もちろん、ポケモンの権利運動家である私はポケモンGOを

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twitterアーカイブ+:ラティアスを追ってヴェネツィアに行く者たちへ

遺書 2019年夏、操刷法師は謎めいたメッセージと一枚の写真をtwitterに残して消息を絶った。

「むかしむかし、アルトマーレという島に、おじいさんとおばあさんがいました。」

「ある日、二人は海岸で、小さなきょうだいが怪我をしているのを見つけました。」

「おじいさんとおばあさんの手厚い看護で、二人はみるみるよくなっていきました。」

「しかし突然、邪悪な怪物が、島に攻めてきたのです。
島は

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