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ぼくらの常識 家族の常識<夫婦世界一周紀104日目>

旅中怖かったのは栄養不足だ。

何度もスリランカを出して恐縮だけど(別に恨んでるわけではない)ことさらあの国では不安だった。基本的に炭水化物がメインで、肉は無し。つまみ程度に野菜がパラパラと入っている程度。

いろんな国を旅して感じたことだけれど、庶民の所得の上下は食生活で分かる。スリランカは山盛りのインディカ米をわしわし食べるし、スペインでは一世帯でバケットを1日二本食べる。モロッコにはUFOみたいな形のパンがあって、タジン鍋の10分の1くらいの価格で売られていた。

またこれがびっくりするぐらい美味しい。「炭水化物を食べているから不幸です」というわけでは決してなく、というより、国民食だから上を目指すのかもしれない。日本の白米のこだわりみたいなものだ。

ただ、やっぱり栄養はない。スリランカの女性はぽっこりお腹だった。全体的にふくよかなわけではなく、なぜか背肉とお腹だけ膨らんでいるのだ。栄養不足によって胃が膨らむのが原因らしい。

「やっぱりこういうご飯を食べていると栄養は足りないんだね」

フウロと話し合い、スリランカではアボカドやバナナをよく食べていた。日本と違って海外は果物が安い。実際のところどれだけ栄養があるのかは知る由も無いが、とにかくいっぱい果物を食べる。炭水化物もしっかり食べる。肉は食べられるときにたらふく食べるをモットーにこれまで暮らしてきた。

フウロの家族と出会ってまず変化したのは食事である。

僕たちが見向きもしなかったちょっと高級な食材たちに目を輝かせ、10人前?と思うぐらいの量の食材たちがカゴに収まっていく。もう終盤ともなると自然のうちに節制が身についていて、スーパーの中でも食べるもののレパートリーを考えること自体が無かった。家族みんなで行ったスーパーには文字通りなんでもあった。僕たちに見えていなかっただけで、こんなにいっぱい食材があったのだ。

朝ごはんにはツイスター。豪勢な旅の始まりだ。

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外に出ることが出来ない今、旅をできること自体に価値が生まれつつあります。僕たちが見てまわった世界はもうないかもしれないけれど、僕らが家にいる時にも世界は存在していて、今日もトゥヴァだってニウエだってある。いつか全てが終わった時に、あそこに行きたいと思ってくれる人が一人でも増えたらいいなと思って、価格を改訂しました。 無料で公開したかったのですが有料マガジンを変更することが出来なかったので、最安値の100円に設定しています。

2018年8月19日から12月9日までの114日間。 5大陸11カ国を巡る夫婦世界一周旅行。 その日、何を思っていたかを一年後に毎日連載し…

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