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人生で初めて歌舞伎を見た:吉例顔見世大歌舞伎マハーバーラタの感想とあらすじ

人生で初めて歌舞伎を鑑賞した。
観劇は好きでしょっちゅう行っていたが、
歌舞伎は見たことがなかった。
初めての歌舞伎の演目は「マハーバーラタ」
変わり種なのかと思いきや、
絢爛豪華(けんらんごうか)かつキャッチーな内容で、かなり楽しめた。
初めて訪れた歌舞伎座のレポートもあわせて
あらすじと感想をまとめていく。
ネタバレあり


歌舞伎座の客層、二階席三列目からの見え方

歌舞伎座は、地下鉄銀座駅から歩いて10分。東銀座の駅からは駅直結の劇場だ。
現地には平日の10時過ぎに到着した。
通勤時間を一通りこなした平日午前中の銀座は、
8割くらいが国内外の観光客という感じだ。
銀座ということで、オシャレしないと浮くかなと心配だったが観光客に紛れられるので、
服装についてはそこまで気にしなくてもよさそうだ。
ちなみに一応歌舞伎のドレスコードも調べて行ったが、
ネットによると意外にも何でもいい、と書いてあった。
実際、現地もそんなに気合の入ったオシャレしている人はあまりいなかった。
いたとしても着物を着ている人がいるくらい。
それよりも3時間を超える公演に耐えられる格好であることが重要とのことで、
その言説を信じて、オシャレよりも着心地のよさを重視した。
なので銀座の街がそんなにオシャレに厳しい雰囲気でなかったのは良かった。
歌舞伎座の入り口周辺は入場待ちの観客の集団と、
歌舞伎座の外観をバックに写真撮影をしたい観光客とでごった返していた。
ちなみに音声ガイドのレンタルは劇場内ではなく、
劇場外の入り口向かって右側のブースで借りることができる。
このブースでは現金の他に、suicaなど交通系電子マネーも使えた。
端末の様子的にクレジットカードもイケそうだったが、
後ろが並んでいたので質問したりせず、大人しくsuicaで決済した。
銀座の駅から歌舞伎座までの間にはコンビニがないが、
歌舞伎座の地下には小さいセブンイレブンがある。
ものすごく混んでいて狭いので、
買いたいものはなんとなく決めてから行ったほうが良い。
もぎりは入ってすぐ行われるので、
チケットはすぐ取り出せるように手に持っておいてよかった。
中に入るとすぐに一階席の扉がある。
二階席、三階席に上がる階段は入口の両隣にある。
私は利用しなかったが、先にはエスカレーターもあるらしい。
古いのに立派だ。
きいてるか、有明アリーナ。
客層は8割が高齢者だ。
30代以下は1割以下という感じ。
そのため、
幕間の休憩時間に通路から遠い内側の席からトイレに向かっても、並ばずにトイレに入れた。
トイレは収容人数に対しては個室数も多く、
不安になるような混雑はしなくてイイかんじだった。

一等席、二階、三列目の見え方


私の座席は一等席、二階席前から三列目、中央付近。
前一列が丸ごと空席だったのでよく見えた。
というのも、二階席最前列(つまり私の座席の2列前)のおじさんが前のめりに観劇する人で、それだけでもちょっと舞台が見えなかったので、
私の前の列にも人がいたら、けっこう見づらかったのではないのだろうか。
余談だが、前の座席の背面に謎のスイッチみたいなものがついていて、なんだか気になった。
あれは一体なんなだったのだろう。

冒頭

放り出された謎の板

舞台はこれまで見たどの劇場よりも横に広く、やはり独特のつくりをしていると感じた。
天井が低く、照明機材などが一切ぶら下がってなくて、すっきりしているのも珍しかった。
永谷園のお茶漬けのストライプ柄の緞帳がいかにも歌舞伎というかんじだ。
マジに「永谷園」とも書いてあったし。
演劇好きとしては、開演直前の、
期待と緊張が混ざった静寂が好きなので、
この瞬間にもしみじみ浸りたかったが、
音声ガイドがけっこう直前まで講釈を述べてくれるので、あわただしい幕開けとなった。
開演し、幕が開いて目に飛び込んで来たのは絢爛豪華(けんらんごうか)な神様の世界。
これはツカミとしては素晴らしかったのではないかと思う。
なんというか、ビックリして、口あんぐりで音声ガイドも外してしまった。
この空間を全身で体感したくて……。
歌舞伎の予算感というものも全然検討がつかないのだが、明らかにお金のかかっている衣装であり、
ありがたくてオペラグラスでまじまじと見つめた。
役者さんがオペラグラス越しにこちらを見ているような気がしてドキドキした。
いわゆる歌舞伎らしい発声・セリフなのだが、意外と聞き取りやすくて、もしかしてガイドは必要なかったかなと思った。片耳が塞がるし
下手(しもて)上段のラクシュミ役は女性にしか見えない。

一幕あらすじ

カッコいいポスター

この「マハーバーラタ」のストーリーは、
まず神様たちが、戦乱の耐えない人間界をどうするか?もう滅ぼしてしまおうか?と話し合うシーンから始まる。
それで、穏健派の太陽神と、強硬派の帝釈天(タイシャクテン)とが、それぞれ同じ人間の女に、子供を産ませることにする。
その二人の子供が、人間界を穏健に統治するか?それとも強硬的に支配するか?どちらのやり方がうまくいくか、試してみようという話になる。
その二人の子供が成長し、自身の生まれ持った使命と、実際に対峙した現実から思うこととの間で葛藤しながら、戦乱の世を駆け抜けていくという物語だ。
どのくらい、原典のマハーバーラタに忠実なのか?は、私の知識不足のため論じられないのでご了承願いたい。

感じたこと①

舞台の上手(かみて)に謎の板が無造作に置いてあって、幕があがる前、何なのだろう?と不思議に思っていたら、
歌舞伎の「カン!」という効果音?を出すやつだった。
大道具の部品を片付け忘れているのかと思ったらすごい重要な楽器だった。
上手(かみて)にはオーケストラピットを収納するタワーがあり、
そこがBGMを奏でる他に、そこからいわゆる「大向う(おおむこう)」が聞こえたりもして、
注意を向けるべきところが、舞台、花道、音声ガイド、オケピ、木の板を鳴らす人……とたくさんありすぎて、観劇中めちゃくちゃ忙しかった。
次のシーン、心の美しい乙女ことクンテイ姫が太陽神から懐妊させられるシーンは、非常にアッサリしていて会場から笑い声が起こっていた。
この時ばかりは音声ガイドも「神話ですので」とメタ的に突っ込んでくれたので、冷笑的な気分にならずに済んだ。こういう時は音声ガイドを借りておいてよかったなと思った。
それにしても、この神による乙女の妊娠や、産んだ子を聖なる川へ流す、というシーンは、やはりキリスト教の聖書にあるマリアの処女懐胎や、旧約聖書のモーセの出生のエピソードを彷彿とさせる。聖書とマハーバーラタにこういう共通点があるのも、何かゆかりがあるのだろうか
そういう意味では、川から拾ってきた子を育てた夫婦というエピソードも、日本の昔ばなしの桃太郎の夫婦のようだったし。
明らかに他の古典を意識しているのだろうと思ったけどどうなのだろう。
場所は変わり、主人公カルナの宿敵であり兄弟であり運命のライバルでもあるアルジュラの登場シーンだ。
ここではカッコよくアルジュラと兄弟5人が「名乗り」を上げる。音声ガイドが、役者さんのお名前やいわゆる「◯◯屋」であるという所属などの詳細を補足してくれたのだが、
どうしても両の耳で名乗りを体感したかったのでまたガイドを外してしまった(笑)
インドの古い叙事詩なんかに触れる機会なんて普通に生きていたらそうそうないと思うのだが、オタクだったおかげでFateやRRRを通過しており、キャラクターの名前くらいは聞いたことがあったので登場人物が覚えやすくて助かった。
ここで、悪役のズルヨーダ王女も登場する。
最終的には改心した様子も見せるのだが、終始一貫してイジワルでズルいので「ズル」ヨーダ、という名前も覚えやすい。
ズルヨーダ王女は本当に女の人にしか見えなくて、声も女の人そのものだった。本当に男の人がやっているのか?
引きずった着物の裾をさばく所作が美しすぎて、ここから終盤までズルヨーダが登場するとズルヨーダに釘付けになった。ズルヨーダ、ズルい!
一幕ラストはズルヨーダの策略によってアルジュラを含む5人の王子が殺されそうになるシーンで終了する。
真っ赤なライトで表現された炎の中、
お城の大道具が舞台の奈落に沈むダイナミックな光景で一幕の終了となる。
堂本光一のEndless SHOCKもそうだが、一幕のラストは炎に包まれて終了しがちだ。

ランチ事情

一幕は1時間半くらいだっただろうか。
最後の方はお腹が空いて気が狂いそうになった。
歌舞伎座はこのお昼の休憩に合わせて、いわゆる「幕の内弁当」を取り寄せることもできるらしく、ものすごく興味を引かれたが、私は貧乏人のため来る途中にコンビニで買ったおにぎりをロビーのイスでほおばるのみであった。
全員が昼食を取れるだけのベンチがロビーにあるのか?というと、たぶんないと思う。
私はけっこう通路側から離れた座席だったため、ご飯を食べられるところがあるのか?と心配していた。
しかし先ほども書いたが、大半が高齢者だからか、ロビーのベンチも即埋まる、という速度感ではなく、ぼちぼち埋まっていくというかんじだった。
みんなお弁当を受け取りに行っていたとかなのだろうか?
私はと言うと、もたついて座席を後にしたものの、二階ロビー上手側の廊下のベンチが普通に誰も座っていなかったので、そこでおにぎりを食べることができた。
しばらくすると隣の席も埋まり、
遠くから「どこもあいてないね〜」「立って食べようか」という声も聞こえてきた。
とはいえ、初めてだったのでよくわからなかったのだが、幕間の食事は客席で食べてもいいらしい。
でも、そんな広い座席でもないので、みっちりの満席で隣の人と肘をぶつけながらご飯を食べるのもなんだかなあと思う。
どうするのがベストなんだろう。
長時間の公演時間ではあるので、何も食べないのは難しいと思うし。
このマハーバーラタも3時間超えていたし。
ともかく、食べ終えて、トイレに行って、ストレッチをしてたらもうブザーが鳴った。
35分の休憩とはいえ、思ったほどのゆとりはないのだ。

二幕あらすじ、感想


二幕はアルジュラの婚礼のシーンから始まる。
ここは近年流行したインド映画「RRR」に着想したダンスバトルのシーンがある。
あの、「ナートゥ」の動きも取り入れた、日本的なような、不思議なジャンルのダンスだ。
どうでもいいけど、イケメン好きの私としては、先ほどから鼻筋の通った美男っぽいアルジュラのことが気になっていた。ルックス的な意味で
だからどうということもないのだが……
場所をかえ、この物語の大きなターニングポイントとなる出来事が起こる。
というのも、悪役であるズルヨーダ王女の特集能力に「ヒトを賭け事にのめり込ませる」という催眠術のようなものがあり、これをズルヨーダの弟であるサハデーヴァ王子の「サイコロの目を操れる」という特殊能力と組み合わせてイカサマをし、
アルジュラと兄弟の5人から全てを奪い取ることに成功するのだった。
ここのシーンはスリリングで見ていてとてもハラハラした。
5人の王子はイカサマの賭け事に負け続け、お金も兵力も国土も尊厳も失うことになってしまう。
だがそれではあんまりだということで、母親のクンテイ姫がとりなしをしてくれる。
結局、5人の王子から取り上げた分を返してやるかわりに、5人を12年の間、国外追放するという折衷案で落ち着くことになる。
ここで二度目の休憩だ。

三幕あらすじ、感想


三幕は5人の王子のうちの三男・ビーマ王子が森の中で伴侶となる妖怪の女性と出会うシーンだ。
歌舞伎の特徴的な演出がてんこ盛りのシーンが多く、音声ガイドがいちいち解説してくれたのがとてもよかった。
この妖怪の女性が、人間の姿から、妖怪の姿に変貌する際には、衣装の早着替えのような「ぶっかえり」という演出が採用されていた。
そりゃあ、現代の舞台みたいに、プロジェクションマッピングとかledパネルとか使ったド派手な演出と比べたら原始的で地味な演出かもしれないが、
それでも現代でも「おぉ〜!」となるような華やかさのある演出だと思った。
また、この妖怪の女性の兄が、妖怪の生き様に対する裏切りだとして、二人の結婚に反対し怒り狂って襲いかかってくる。
この鬼がまた怖い!
人外が出てくる桟橋の奈落からスモークととともにドコドコドコドコ…という怪談でよくある効果音とともに出てくる。
顔には青白くてくっきりとした「くまどり」をし、真っ赤で長い髪をしている。
明らかに人間ではない、不気味な風貌が遠くからでもわかる、不穏な気配がある。
この鬼、クライマックスでお正月にテレビで見る、真っ赤な髪を振り回して頭をふるやつをやってくれた。
わあ!すごい、歌舞伎っぽい!
めちゃくちゃテンションが上がった。
ところで私は刀剣乱舞など2.5次元の舞台が好きでよく見ているが、
あれらと比べても遜色ないほどの激しいアクションシーンでもあった。
歌舞伎ってすごい、普通に現代でも通用するエンタメなんだ。
大満足の森のシーンの後は、
登場人物の内面の変化を追う静かなシーンが続く。
ご飯を食べた後だったので眠気が割と辛かったが
内面を詳細に描写しようとする作品は好きだ。
特にズルヨーダ王女がポロっと、
父親が盲目だったからずっと居場所がなくて、陽のあたる場所にいた5人王子への憎しみが止められない、という述懐にはグッと来るものがあった。
ここまで来るともうすっかりズルヨーダ王女のファンだった。
機は熟し、
いよいよ両陣営の全面対決となる。
桟橋にずらりと並んで名乗りを応酬するの、なんかジャンプ漫画のキメゴマのようでカッコよかった。
英雄の一騎打ちのシーンが続いていくが、
やはり特筆すべきはビーマとビーマの息子の共闘だろう。
え、なんかちっちゃいんが出てきた…と思ったら、丑之助さんというガチの子役だった。
これがあの、歌舞伎一家の子役デビューのやつか!
テレビで見たことある!
幼いのに、歌舞伎的なセリフをしっかり覚え、発声も忠実に踏襲しており、あらぁ子供ねーかわいいわねーという贔屓目をなしにしても役者として十分に見られる。
すごいな、こんな子供が世の中にいるんだな。
そりゃ、この後の人生に大きな差が出るわけだ。
などとしみじみしてしまった。
父親のビーマと善戦するも、息子はあるところで致命傷を負い倒されてしまう。
まぁ子役にできる現実的な量なのだろうと思ったが、
それにしても、いたいけな子供がふわふわの髪の毛をくたりと投げ出して舞台でうずくまる姿は本当にかわいそうで、左前方の人は泣いていたし私もちょっとうるうるした。
息子の善戦もありビーマは辛勝する。
大きな棍棒をかついでのっしのっしとはけるビーマの姿はカッコよかった。
次いでいよいよズルヨーダ王女も倒されることになるが、今際の際(いまわのきわ)に壮絶な呪いの言葉を吐いて死ぬ。
それがとてもかっこよかった。
ずっと居場所がなく、そのせいで鬱屈した内面を引きずり続けたズルヨーダ王女。
途中でそんな自分自身を冷静に見つめることもあったが、しかし死の間際に改心するとかなく、自身のアイデンティティである怒りを宿したまま、怒り狂ったまま死んだのは、ある種、ズルヨーダ王女がズルヨーダ王女自身に誠実だったからだと思う。
弟以外は誰も味方になってはくれなかったが、ズルヨーダ王女自身はズルヨーダ王女を裏切らなかった。そういうメッセージに受け取れた。
倒されたあと、今にも怨念として起き上がってきそうな、美しく妖艶な遺体の演技も素晴らしかった。
ついにラスト、カルナとアルジュラの一騎打ちのシーンだ。
矢の降り注ぐ戦場の様子を大きな旗で表現した演出は歌舞伎というよりもナショナルシアターライブのようだ。
まさにクライマックスの雰囲気の中、
なんと大事なところでカルナの馬車が動かなくなってしまう。
すっかり忘れていたが、一幕でカルナが悪気なくついた嘘への報いが、ここへ来てもたらされているというわけだ。
あまりの展開に思わず手で口を塞いでしまった。
マスクしてたけど
この執拗なまでの「因果応報」こそが、
インドの倫理観、なのだろうか。
なんだか自分の人生まで、振り返るような気分にさせられた。
カルナじゃないけど、私だってその場しのぎに、適当に生きた過去があるのだ。
馬車を降りての一騎打ち、
まさに「殺陣(たて)」であり「アクションシーン」であった。
客席でも皆が息を殺して見守っているのを感じた。
ついに決着がつくわけだが、
それというのもなんと、カルナ自身にもたらされた予言の「一人の犠牲の死によって戦いが終わり、平和がもたらされるだろう」という言葉の通りに、その平和のための「一人」に自分自身を差し出すという選択をすることで、この戦いの幕が下ろされる。
カルナはアルジュラに自分を倒させることで、平和をもたらしたのだ……
倒れたカルナを、桟橋の奈落から登場した神が、よくやった、とねぎらう。
なんだか不思議な心地がした。
私達はやはり、死の間際に、自分の人生を生まれてからずっと見守りつづけた神から「よくやった」と褒められると、報われるような気がするんだろうか。
生きている私達は誰も、死んだことがないからわからない。
でも、この作品を3時間超えて見守った我々には、説得力のある、救いのある結末に思えた。

まとめ

初めての歌舞伎だったが、
めちゃくちゃ楽しかった。
見ながら、私がこれまで好だった作品も、実は多く歌舞伎に影響を受けていたんだなと気付いた。
歌舞伎というと「古典」というイメージで、若干とっつきづらさを感じていたが、
何の前情報も、予備知識もなくても、
直感的に、かっこよかった。
日本人だから、そう感じたのだろうか?
歌舞伎を見たことなくても、
歌舞伎に強く影響を受けた作品をどこかでたくさん見聞きしていたから、
原点たる歌舞伎を見ても、それほど違和感なく入り込めたのかな。
帰ってから、聞いたことのある歌舞伎の公演についても調べてみた。
というのも、数年前から初音ミクが出たり、ワンピースが歌舞伎の題材になっているのを知ってビックリしたことを思い出したのだった。
なんでそうやって、伝統芸能としてあるだけでなく、
エンタメとして現代的であろうとしているのか?
例えば、イギリスのロイヤルオペラ・バレエはハリー・ポッターとかスター・ウォーズをまだ題材にはしていない。
まだ、コッペリアとかシェークスピアをやっているわけで。
歌舞伎のこうした取り組みについて、
帰ってからサッと調べただけなので間違っているかもしれないが、
歌舞伎のこの現代的な取り組みは、私が生まれた頃、1980年代にさかのぼるらしい。
そこで上演された、ヤマトタケルの演目が大評判となり、現代的な新作歌舞伎を作り出すハードルがグッと下がったんだそう。
なるほどな。
今になって急にやり始めたことではないんだな。
昨今、日本のエンタメはなんだかひたすら2.5次元化している。
2.5次元舞台はその名の通りなので良いとしても、
テレビ局が作る邦画やドラマもなんやかんやとやたらマンガを実写化しようとしている。
そこへきて歌舞伎まで2.5次元に参入しているのは猫も杓子もという気がしないでもない。
でも外国の伝統的な劇団、例えばさっき言ったみたいなイギリスロイヤルオペラ・バレエが古典しかやらないことと、日本の歌舞伎は違うアプローチで現代に存在するのは良いことのように思った。 
そういう意味で、これまで食わず嫌いしていたいわゆる「超歌舞伎」や「スーパー歌舞伎」なんかも見てみたい!と思うようになった。
もちろん、トラディショナルな演目も見たい。
世界が広がって、楽しい体験ができました。

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