祝儀、不祝儀の必需品、のし紙のマナー、今さら聞けない5つの疑問!
のし紙は、日本の贈答文化のシンボルといえるでしょう。古代からの歴史がある熨斗(のし)は、いまも、祝儀から不祝儀までさまざまなシチュエーションで使われているからです。いざという時のために、のし紙の正しい使い方やマナーを知っておきたいものです。
この記事では、2031年に創業100年を迎える東京新富町の紙製品メーカー・山櫻が、のし紙の基本的なマナーから、慶事と弔事、それぞれの場面でのルールまで、今さら聞けない5つの疑問に答えます。
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質問①:のし紙とはなんですか? どんなマナーがありますか?
のし紙とは意匠のこと
のし(熨斗)紙の起源は、なんと日本書紀にまで遡ります。もともとは伊勢神宮の献上品だった鮑(あわび)を薄く伸ばして干した熨斗鮑(のしあわび)のことを意味していました。
その風習は長い時間をかけて洗い上げられ、現在、のし紙は、贈答品に掛けられる紙の意匠として受け継がれています。現在でのしといえば、のしの模様が印刷された紙を指すことが一般的です。
のし紙は、慶事・弔事どちらにも使う
のしは、結婚祝い、出産祝い、長寿祝いなどの慶事(祝儀)に使用されます。慶事に使われるのしは、祝のしと言われます。
一方、通夜、葬儀、香典返し、法事などの弔事(不祝儀)での供え物には熨斗鮑(のしあわび)模様のついた紙は使いません、その代わり仏のしを用います。
ちなみに、のし紙は「付ける」ではなく「掛ける」と表現します。これは、贈答品にのし紙を掛けることから来ています。
質問②:慶事と弔事でマナーの違いはありますか?
慶事の場合は、のし紙の右上にのしを添えますが、弔事にはのしの意匠はつけず、仏のしを使うのがマナーです。また、贈り物の種類や場面に応じて使い分ける必要があります。
慶事では「外のし」
お祝いごとの場合、のし紙を贈答品に掛けて、その上から水引を結びます。のし紙の端を右側に位置させ、右肩にのしを添える形になります。
贈り物が直接見えないように、包装紙で包んだ上にのし紙を掛ける「外のし」が一般的です。
弔事では「結び切り」
不祝儀では、のしの代わりに、黒白または黄白の水引を結んだ掛け紙(仏のし)を使用します。
水引の結び方は、固く結び解けない「結び切り」が一般的です。
質問③:水引とはなんですか?
水引(みずひき)は、のし紙の中央にある飾り紐を指します。水引には結び方や色、本数に意味があり、目的に応じて使い分けるマナーがあります。
結び方
色
紐の本数
質問④:「外のし」、「内のし」とはなんですか?
外のし
外のしは、贈答品を包装紙で包んだ後、その上からのし紙を掛ける方法です。贈り物の目的や贈り主の名前がひと目でわかるため、一般的なマナーとしては、直接手渡しする場合やビジネスシーンでの贈り物で使われます。
内のし
内のしは、贈答品に直接のしを掛けて、その上から包装紙で包む方法です。控えめな表現となるため、感謝の気持ちを伝える内祝いに適しています。また、配送で贈る場合は、破損や汚損を避けるために内のしを選ぶことがあります。
質問⑤:のし紙の表には何を書きますか?
のし紙の表には、贈り物の目的を表す言葉「表書き」を書くのがマナーです。
結婚式の表書き
「御祝」「寿」「御結婚御祝」「御出産御祝」「御結婚御祝」「寿」「御祝」
弔事の表書き
「御霊前」「御仏前」「御供物」「志」
表書きの基本的なマナー
●表書きはのし紙の上段中央に書きます。
●表書きが水引や熨斗にかからないように注意します。
●慶事の場合は濃い墨色の筆や筆ペンを使用し、楷書体で書くことが推奨されています。
●喪中の表書きは、宗教によって異なる場合がありますが、「御霊前」は仏式でも神式でも共通して使用できます。
「祝儀、不祝儀の必需品、のし紙のマナー」まとめ
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