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サクラ

[ 日本語雑話 ]

桜が満開を迎えています。

桜の語源の一つに、民俗学の方では、「サ」を稲の神とし、「クラ」は大御座・高御座(おおみくら・たかみくら)、すなわち「天皇即位の時の座」の「クラ」とする説があるそうです。
すると、サクラ稲の神がお座りになる木ということになります。

春を迎え、稲の神、田の神が人間界にやってきて、田植えの始まろうとする季節を、一時そこに宿り、見守っているような感じなのかもしれません。

「サ」を、同じように考えると、
例えば、サオトメは稲の苗を植える女性。

サオリは、田植えを始める日。
サノボリは、田植えの終わる日にする祭。
神が天から降り、天に戻っていくということを意味しているのでしょう。

同じように考えれば、
五月(サツキ)は、田の神がいる月ということになり、
五月雨(サミダレ)は、神が下さる恵みの雨ということになるのだそうです。

稲作という生業と結びついたサクラ、そんな見方をすると、花見にもまた違った味わいが加わるかもしれません。

いい季節を楽しみたいと思います。

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