第79話:ひまという苦しみ
高校時分、テスト監督をしている先生が羨ましくてならなかった。
こちらは不勉強を悔いながら出来の悪い頭を必死に働かせて問題を解いているのに、いかにも暇そうに窓の外を眺めたり、椅子に腰掛けてぼんやりしていたり、中には野球の投球フォームをしてバランスを崩してひっくり返ったりする先生もいたが、いずれにしても、どの先生ものんびりと心地よく自由時間を楽しんでいるように見えた。
あんなご身分になってみたいと夢のように思ったりしてみた次第なのである。
ところが、どういう因果か僕は高校の教員