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精神障害の労災認定が過去最多らしい

先日、何気なくヤフーのトップをみていると印象的なニュースのタイトルが目に入りました。

2022年度「精神障害」の労災申請 過去最多に 仕事による強いストレスなど原因

記事によると、厚生労働省の発表における2022年度の精神障害の労災申請が2683件と過去最多になったそうです。

実際に精神障害で労災と認められたのは710件で、こちらも過去最多となった模様。

心の病気の認知度があがったことにより、精神科や心療内科を受診する人が増えたという背景もありそうですが、依然、厳しい環境で働いている人は多いのでしょうね。

コンプライアンスという言葉が浸透し、パワハラ防止法なども実施されるようになりましたが、現実的な数字をみると絶望的な気分になってしまいました。

実際はもっと多い?

精神科医によるオーサーコメントでは、「実際はもっと多いんじゃないか?」ということも指摘されています。

そもそも、精神障害を患ったときに「これって労災になるのかな?」と頭をよぎる人はかなり少なく、疲れている状態での申請も非常に手間であり、仮に認定されても「会社のせいで精神疾患になった」となると職場に戻れなくなるのではないかという心配で労災を申請するまでのハードルは相当高いそうです。

私の不安障害は幸い、職場のストレスではありませんでしたが、この指摘はすべて納得です。

特に人間関係に敏感な私は「会社に戻れなくなるのではないかという心配」が一番大きいかな。

仮に職場復帰してもすごくギクシャクしそうで、やめる覚悟がないと労災申請はできないかも。

ちなみに、労災とは、仕事による強いストレスなどが原因で精神障害になったと認定されることで、色々な給付が受けられる制度です。

給付には、休業補償給付、療養補償給付、障害補償給付などがあります。

心を鍛えるのではなく、環境を整える

今回のようなテーマの記事ではよく「逃げる勇気」や「休む重要性」の話がでてきますが、私は少し別の角度からのお話をします。

二冊目のkindle本でも述べましたが、私は心の問題を解決しようと思った際は、心を鍛えることばかりに目を向けるのではなく、環境を整えることにも目を向けるよう提案しています。

私たちは心の問題の解決となると、反射的に、

「とにかく心を強くしなければ」

「どんなことにも負けないメンタルを作らねば」

と、心を鍛えることばかりに目が行き、自分が日々生活する「環境」に目を向けることはあまりありません。

しかし、私たちの精神は環境からも大きな影響を受けているので、環境を整えることで精神を整えるという視点を持つことも重要です。

例えば、Aさん、Bさんに「今から幸せな気分になってください」と課題を課したとします。

課題の提示後、Aさんは町のごみ集積場に案内され、Bさんは大草原のお花畑へと案内されました。

Aさんはごみ集積場の前で一生懸命瞑想をし、「こうやって町がきれいになっていくんだ。ありがとう!」と考え方を見直していますが、最悪の景観と異臭の中ではなかなか幸せを感じることはできません。

一方のBさんは、青空の下のお花畑で、大きく息を吸い込むだけで胸いっぱいの幸せを感じることができました。

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極端な話ではありますが、環境が精神に与える影響を考えるにはちょうど良いのではないでしょうか?

私も「運動、筋トレ、呼吸法、瞑想、食事法、サプリメント、アファメーション、イメージトレーニング・・・・」とメンタルトレーニングは無数と言えるほどやってきましたが、精神を鍛えると言っても限度がありますし、そもそも必死の努力をしなくても心地よく過ごせる環境にあるのであれば、それに越したことはありません。

精神的に苦しいと感じる方は、一度日々の生活を振り返り、

・私が心地よく働ける職種や職場環境とはどのようなものか

・私はどのような人と、どのような時間を過ごしたいのか

・一日のスケジュールに無理はないか

・自分の好きなことをする時間はあるか

・そもそも私がリラックスできるような場所はどこなのか

といった点を意識し、環境(生活自体)を整えることによって心を整えるアプローチも取り入れてみてください。

心の努力だけで幸福をつかみ取ろうとすることは実際は非常に困難なことです。

「どのように一日を過ごせば心地よく過ごせるのだろう」と考えられるようになることで、もっと楽に生きていけるようになるはずです。

終わりに

今回はkindle本でも紹介した「心を鍛えるのではなく、環境を整える」というお話でした。

冒頭のニュースで紹介した職場のストレスで心を病んでしまうタイプの人ほど、「負けてはならない」「頑張らねば」と精神の問題を精神の力だけで解決しようとする人が多いのではないかと思ったので、再度記載してみました。

環境を整えると言っても実際は制約も多く、誰しもがすぐに理想の環境を実現できるわけではありませんが、意識して取り組むのとそうでないのとでは長い目で見ると必ず差が出てくると思います。

私も何年もかかりましたが、今では自分に合った環境で少しは力を抜いて生きていくことができるようになりました。

補足

本記事は、運動、瞑想、呼吸法といったメンタルトレーニングは必要ないという話ではなく、「それだけで心の問題を解決しようとしないほうが良い」「あまり傾倒しすぎないように」という話です。誤解なされぬようお願いします。








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