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羅生門

芥川龍之介 1915

「ある日の暮方の事である。一人の下人が、羅生門の下で雨やみを待っていた。・・・・・」

【羅生門】は日本の古典『今昔物語集』の本朝世俗部巻二十九「羅城門登上層見死人盗人語第十八」を基に、巻三十一「太刀帯陣売魚姫語第三十一」の内容を一部に交える形で書かれたものです。芥川龍之介の王朝物といわれる作品の第一作目になります。
1915年(大正4年)11月に雑誌『帝国文学』へ発表されました。
天災や飢饉が続く京の都。朱雀大路にある羅生門も荒れ果てて、引き取り手のない死体が打ち捨てられる有様。・・・雨の降るある日の夕暮れのこと。一人の男が石段に座り途方に暮れていた。このままでは飢え死にして、いずれこれらの死体と同じ運命・・・。
この作品の登場人物は、先程の途方にくれていた「男」(下人)と、死体しかいないはずの門の楼の中で火を灯し、何かをしている「老婆」、・・・たったこの二人。

悪を憎む気持ち。
その反対の気持ち。

生きる為に手段を選ばない人間を見ると、どちらの気持ちを持つものか。
生きる為に手段を選ばない人間は、どちらの気持ちを持つものか。

どちらを持つにしても
「勇気」
は必要なのです。

「・・・・・下人の行方は、誰も知らない。」

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