トムは真夜中の庭で
📙『トムは真夜中の庭で』
フィリパ・ピアス 1958
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夏の物語。弟がはしかにかかってしまったので、別の町のおばさんの家に預けられることになったトム。退屈きわまりなく、少しも楽しくない。階下の広間には、管理人のお婆さんが大切にしているという大時計があり、寝つけないままにその時計の打つ音を聞いていたトムは、それがなんと十三時を打ったことに気づいた。そんなバカな。冒険心を抑えようもなく、時計を調べに階下へ降りて行ったトムが、裏口のドアを開けてみると、昼間は狭い裏庭だったところに、見事に美しいヴィクトリア朝時代の庭園が広がっていることを発見する。広い芝生のあちこちに花壇があり、花が咲き乱れ、何本ものイチイの木が枝を茂らせていた。
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伏線を張り巡らせた緻密な構成で、忘れがたい読後感を残す児童文学の名作。時をテーマにした小説の古典といわれるようになりました。「真夜中の庭」は、実際に作者フィリパ・ピアスが育った製粉工場の庭をモデルにしたものです。
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広間の大時計が十三時を打つと、毎夜、その庭園を探検に行ったトムは、やがてハティという女の子に出あう。ハティが一緒に遊んでいる従兄弟たちには、トムが見えないのだが、まだ幼いハティにだけはトムが見えるのであった。