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おとなの読みもの

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2023年11月の記事一覧

銀の匙

銀の匙

『銀の匙』
中勘助

前編が1910年(明治43年)に執筆され[1]、1913年(大正2年)には「つむじまがり」と題された後編が執筆された。夏目漱石に送って閲読を乞うたところ絶賛を得、その推挙により同年4月8日から6月4日まで前編全57回が、1915年(大正4年)4月17日から6月2日まで後編全47回が東京朝日新聞で連載された。

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私の書斎のいろいろながらくた物などいれた本箱の抽匣に昔

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信州川中島合戦

信州川中島合戦

⚔️『信州川中島合戦(文楽)』

近松門左衛門 作
享保六年(1721)大坂竹本座初演。五段つづきの時代物。上杉謙信と武田信玄の川中島の合戦を題材にしている。

三段目の「輝虎配膳」より

越後の長尾輝虎(上杉謙信)は、宿敵の武田信玄に負け続けている。輝虎は信玄が強いのは向こうにすぐれた軍師の山本勘助がいるからで、何とか勘助を自分の軍師に迎えたいと考えている。その山本勘助は輝虎の家臣である直江山城

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武器よさらば

武器よさらば

📘【武器よさらば】
ヘミングウェイ 1929

「・・・傘は小さいけれど、持ってきてよかったわ。」 キャサリン

僕はイタリア戦線の救護車部隊に配属され、中尉として現場を取り仕切っていた。新たな戦闘が始まろうとしている頃、休暇から前線へと戻ってくると、僕が不在の間にイギリス人看護婦の一団がやってきて病院を設営していた。キャサリンいう看護婦に出会った。彼女はこの戦争で婚約者を亡くしたということだっ

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夫婦善哉

夫婦善哉

夫婦善哉
織田作之助 1940

柳吉
「こ、こ、ここの善哉は何で、二、二、二杯ずつ持って来よるか知ってるか、知らんやろ、こら昔何とか太夫ちゅう浄瑠璃のお師匠はんがひらいた店でな、一杯山盛にするより、ちょっとずつ二杯にする方が沢山入っているように見えるやろ、そこをうまいきと考えよったのや。」
蝶子
「一人より夫婦の方が良えいうことでっしゃろ」

年中借金取りが出入りする一銭天麩羅屋。その娘の蝶子は

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