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Katsuhisa Sakita
2022年11月25日 23:14
「手袋を買いに」新美南吉 1943・・・寒い冬が北方から、狐の親子の棲んでいる森へもやって来ました。・・・・・・こっちの手、ほらこの人間の手をさし入れてね、この手にちょうどいい手袋頂戴って言うんだよ、わかったね、決して、こっちのお手々を出しちゃ駄目よ・・・『新鮮な驚き』子狐が初めて初雪を見る。雪の上を駆け回る。樅木からの落雪に驚く。『優しい気持ち』雪に触れ冷たくなった
2022年11月9日 23:05
「河童」芥川龍之介 1927・・・三年前の夏のことです。僕は人並みにリュック・サックを背負い、あの上高地の温泉宿から穂高山へ登ろうとしました。穂高山へ登るのには御承知のとおり梓川をさかのぼるほかはありません。僕は前に穂高山はもちろん、槍ヶ岳にも登っていましたから、朝霧の下りた梓川の谷を案内者もつれずに登ってゆきました。朝霧の下りた梓川の谷を──しかしその霧はいつまでたっても晴れる景色は見
2022年11月5日 21:25
「信濃の民話」瀬川拓男・松谷みよ子・編はなし 中野市中町 綿貫市郎はなし 中野市中町 松谷せつ再話 松谷みよ子むかし、中野鴨ガ岳のふもとに小館城というお城がありました。そのお城に高梨摂津守政盛という殿様が住んでいた頃のことです。政盛には黒姫という世にも稀な美しい姫君がいました。高梨摂津守政盛とその娘である黒姫が家来達と花見に行く。桜と春の空に並ぶ北信五岳を眺めながら盃を