オンライン会議に向いている人
コロナと緊急事態宣言を受けて、私も在宅勤務になりました。
いま塾業界は、オンライン授業に適応するか、さもなくば潰れるかの2択を迫られています。私の勤める塾はオンライン授業に移行しましたが、周辺の塾は次々と姿を消していっています。
複数校舎を持つような中規模以上の塾の閉塾は、どちらかといえば戦略的撤退の感がありますが。
そういうわけで、私の仕事でも打ち合わせはZoom、生徒への授業もZoomと完全オンライン化したわけですが、これが
超 快 適
なんですね。
「在宅」であることの楽さはまあ、みなさん想像できると思うので、「オンライン会議」が私にとって快適である理由について少しお話ししようと思います。
まず前提として、「オンライン会議はリアル会議より疲れる」「オンライン会議はリアル会議より不自由」と感じる人が多数派らしいということ。
いろいろな人が理由を述べていて、私もそれぞれ理解はできるんですけどね。
私の場合はそもそも「直接人と対面するのがアホほどストレス」な人間なんですよね。今までこれを言うと周りから
「みんなそうだよ」
って言われてきましたけど、今回の件で気づいた。みんなそうじゃない。個人差がある。対面で接することのストレス具合は人によって異なる。
誰しも多かれ少なかれあるとしても、私や、私のようにうつ病起こすような人々の対面ストレスははんぱない。
そしてそのストレスは、具体的に「なにが原因」ということもなく、もはや「ホモ・サピエンスとエンカウントする」ことをトリガーとして発生するパニック症状なのです。
だからこれまではどんなストレス対策をしてもしかたなかったのですが、Zoomによるオンライン会議ではこの対面ストレスが発生しない。トリガーが引かれない。快適な理由としてそれがひとつ。
そして、私は打ち合わせだけでなく「授業」、つまり商品の提供手段としてZoomを使用しています。
私はインフォメーション・テクノロジーに比較的強いという自負があるので、Zoomを使いこなしているほうだとは思いますが、それでも確かに対面授業に比べて様々な制約がある。
だが、それがいい。
対面授業、言い換えればアナログの世界では、私は無限に「カイゼン活動」をしてしまいます。
難しすぎる問題を解かせてはいないか?ちょっとしゃべるのが早すぎなかったか?おなかの音がなったのが聞かれなかったか?解説がわかりづらくはなかったか?今の「間」は気まずくなかったか?体臭が不快ではないか?教室の室温は適切か?異性に過剰に接触すると嫌われはしないか?スーツにごみがついてやしないか?
いや、無限というと語弊がありますが。まあでも「もっと改善すべき点があるかもしれない」と思えてしまうことが、私を限界以上に稼働させようとするわけです。
その点オンライン会議はいい。技術的制約を「言い訳」にできる。
レスポンスが遅延するのだから間が空くのは当然。
解説がわかりづらいのはオンライン教材が不足しているから仕方ない。
表情が暗く見えたとしてもカメラと光源のせい。
体臭なんか伝わりようもない。
室温は生徒でなんとかしろ。
あ、もちろん向上心はありますよ。現状に満足しているわけではない。でも、無限の改善活動(アンリミテッド・インプルーブ・ワークス)をする必要がない。100個ぐらいは改善の余地が思いついているけれども。
「人間のようなロボットはなぜ作れないのか」という論点がありますよね。その原因の一つとして、情報処理が挙げられることがあります。
「周囲のあらゆるものを知覚して、それらすべてに対処しようとすれば、CPUがパンクしてしまう。情報に優先順位をつけようとしても、その優先順位をつけるための処理に同様の負荷がかかってしまう」
私もある意味こんな感じです。そう、われはロボット(I am robot.)
あるいはアレです。昔、中学校の美術の先生が言っていたやつ。
「自由に好きな絵を描いていいよ」
と指示するより
「4コマで漫画を描きなさい」とか「幾何学図形だけでポスターを描きなさい」と指示するほうが子供たちが創造的になる、というアレ。
この例えで伝わるんだかどうかまったくわかりませんが。
ともかく、情報が制限されているからこそのびのびとやれる種族もいるということを知ってもらえれば幸いです。
まあ一番のリラックス要因はカメラの画角の外でソシャゲやってるからかもしれませんけどね!(冗談です)
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