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「私を終わらせて」.4


マデニウスはルーファの元を去り、ハーメルンから荒野の廃墟へ戻りました。
そして人間に化けられる薬が入った小ビンをひとつ残らず割ってしまいました。

ルーファにとってマデニウスが類まれなる友人であったように、マデニウスにとってもルーファが孤独を癒してくれたたった1人の存在であったことにこの時初めて気が付きました。

そして、時はやって来ます。

廃墟へと入り込んだルーファはマデニウスを見付けた途端に目の色を変えて剣を振り下ろしました。

「恐ろしい姿をしたバケモノめ!」

マデニウスはルーファの剣を避けずに全身で受けました。いくら魔物とはいえ、剣は身体を貫いておりどうにも助かりそうにはありません。

血を流し眠るように目を閉じたマデニウスの顔を見たルーファは一瞬だけ友人を思い起こしましたが、王に命じられたとおりツノと翼の生えた魔物の亡骸を都まで持ち帰りました。

「よくぞやってくれたな。さすが私の息子だ、ルーファよ。これからはおまえが王となり妻と共にハーメルンを治めるのだ。よいな。」

「はい。ありがとうございます。」

こうしてルーファは無事に愛する人との結婚を許され、民たちは新しい王と王妃を祝福しました。
マデニウスの亡骸は古井戸の奥底に沈められ、「荒野の魔物と都を救った王様の伝説」が書かれた石碑と共に今も遺されています。

もしサポート投げてくれたらなんかいい感じのことに使います。