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解釈【詩】秋陽の中涙して

岩手の高校にフォロバされて驚いております。
そもそもスキしてもらったので嬉しくてフォローしたんだけど
てっきりスルーされると思っておりました。
あの詩に(哀愁のサラリーマン)スキしてくれるなんて
もしかして先生がしてくれたんでしょうか?
むむ、生徒とは思えず。

詩というのは不思議で天から降ってくることもあれば
文字から触発されることもあります。

今日作った画像の詩はある辞典が発端でした。
「光と闇と色のことば辞典」

昔わたしは広辞苑が大好きで、よく好きな言葉をノートに書き写しておりました。その自分が感覚的に好んだものを、よく小説に書いたり詩にしてみたりしたものです。今でもそのノートは見ますが、もうあまりピンとこなくて
やっぱりアップデートは必要だなと思います。

この辞典は分厚くないのに高額ですが、中を見ると理由がわかります。
とても美しい挿絵が入っていて、どれも目を見張ります。

その上、載っている文字も美しく心惹かれます。

というわけで、この中に載っていた言葉を使用して、一つの詩を書き上げたのです。
使ったのは、「秋陽(しゅうよう)」「穹㝫(きゅうりゅう)」
この「穹㝫」という文字はワープロ文字変換では出てきませんで、
一文字ずつ探しました。

秋陽の意味はその字の如く秋の日の光。
穹㝫の意味はドーム上に視える空のことです。
たまに空が湾曲して視えることがあって、それはきっと目眩を起こすほどの空。

こちらの天気は秋晴れ。でも寒い。
こんな日に読む詩はこんな感じで、ちょっと憂鬱でいい。

世の中が湾曲するほどの、途方もないほどの広さの中、自分の小さな姿に寂しくなって、それでも思い出の中には過去に優しい時間があり、それに支えられているんだと勇気付けられるようなそんなイメージで書きました。

普段は自分の詩にあまり説明をつけたくはありませんが
それは多分読んだ人にあった詩であって欲しいと思っているからで
でも今回は特別。
高校生にも伝わるといいなという思いで説明しました。

私は離婚家庭でした。
だから実家はないも同然で21歳の頃、独り立ちしてから根無草のような
生活をしていました。もともと都会生まれなので住むのも東京。
一人で出てきてやっと親からの呪縛も解け、さあ自由になるぞと思ったのに
いざ自由になってみたら、異様に寂しかったし心細かった。
だからって実家に戻るなんて選択肢は無く、自分は自分の力で生きていくことしかできないんだと思いました。

なにをやっても長続きしない。仕事も趣味も。
いつも貧乏で虚しかった。
東京の空は私にとって、楽しいものではありません。
人の流れも何もかも物悲しく目に映り、どこか虚空を見つめる瞳。

しかし幼い頃は優しい母親に抱かれて遊んだ記憶もあるのです。
その思い出を心に今日も生きています。

忘れてもいいものもあるし、忘れてはいけないものもある。
人生ってそうじゃありません?
なんて偉そうに書いてしまいました。
でも私は今は平和に生きています。

それはもちろん辛いこともありますけどね。
でもそんな時は「生きているだけでいいんだ」
そう思って頑張っています。


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