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詩集 月光読書 弍

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何気なく思いついた詩を書いていきます。最初の月光読書はノベルデイズにあります。https://novel.daysneo.com/author/lunagon/
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2024年1月の記事一覧

【詩】昼間、友人と語る

諦めもせずにやっていることが 誰かのためになるなら いったん時間を止めて そしてまた歩き出したらいい 空に散りゆく雲が 明日もあさってもあればいいと思うなら 少し早歩きになるのもいい 君はそうして いつも明るく 楽しく過ごして欲しい 友人と語らって日々のパンを食べて…… 僕はその日暮らしの しがない物書きで いつもあくせくいってるわけもなく 暇人じゃないような暇人で その辺を闊歩しているのさ そして君に出逢うとこういう 「やあ、お日柄もよくなんてな」

【詩】冷たい君の涙

冷たい君の涙 本当に僕が好きなの 風のように言葉が舞っていく 明日どこかへ行きたいななんて 言えるはずもなく 部屋に一人佇む すぐそこで 会える気がする 今日も黄昏を見に歩きに行こうか 冷たい君の涙 知っているよ 片思いだって いつか温もりを感じたいなんて それはただの独りよがりさ

【詩】太陽と月

緩やかに絶望していく姿は惨めだろうか 誰かに愛されることがなかった僕は 君のいうことが理解できない されるがままの体が熱くて それでも虚無が襲ってくる なにをされても僕は暗闇の中で踠く もっともっと欲しいと あめ玉を欲しがる子供のようになる 渇きは癒えず またあの砂漠へ引き戻ってしまう それが怖くて君を求めてしまう ごめんよ本当はこんなことしたくない 求めて求められて 素直に愛し合うことができれば どんなに幸福だろう 僕ばかりが片思いみたいに君を欲している そんな僕を

【詩】私のこと好き?

それは何度いって答えてもらえそうもない言葉 「私のこと好き?」 アイスみたな貴方が嫌がる言葉 「ねえ、私のこと、どう思ってる?」 重いって言うに違いない言葉 「わたしがこんなに好きなのに、貴方はどうしてそんなに冷たいの?」 愛の言葉は人によって軽いものじゃない わかってる いいや、わからない 「私のこと好き?」 「大好きだよ」 だってそんな会話すばらしい

【詩】雪が降っている

雪が降っている ちりちりちり 外は吹雪いているのに 暖かいなか ちりちりちり 貴方が隣で居眠りをする 片手のコーヒーが いまにも落ちそう 寝息が聞こえてきた 愛の囁きなど とうに忘れ 息を潜める ちりちりちり 雪が降っている 静寂の中にいる

【詩】放漫な肉体の中の悪魔

水飛沫がとんで顔に撥ねた 些細な言葉で心が疲労する 燻し銀の眼鏡がズレて落ちそうで 人さし指と親指を使って徐に戻す そんな仕草が心を摩耗する 貴方はされど ここには堕ちてはこない 頂に登って上目遣いで眺めてる 興奮で息づかいが荒くなる 最高潮に達すると冷酷な姿に変貌する それが誰かといわれれば それは誰でもない 自分なのだと思い知る 季節外れの外套が 物語っているのは 不自由で侘びしい己 引き摺って歩くには重すぎる岩

【詩】遙かなる轟音の彼方へ

これ以上何をしたらいいのだろう 仰け反ったような空に向かうこの両の手が 背後に引き攣って 歩くたびに音がする それは轟音のような漣のような 理解不能な音 わたしはわたしらしく ただ存在したいだけなのに 誰も許してはくれない いつだったか 母が歌った子守唄 それを心に留めて生きている 優しい響きのその歌声には 愛が詰まっていた ありがとうも全てが詰まっていた 今でも変わらない でも感謝することには違いないけど それは生き甲斐ではないのかもしれない さよならと言いたくても言えない

【詩】冷たい涙2

わたしは冷たい自分がいて 分裂したみたいに感じるけど それは違う 麻痺の感情なんだ つらいことを つらいといえない 哀しいこと 哀しいっていえない そんなふうに 生きてきて はじめて うすらざむい気がしてくる 世の中と自分との乖離に でも世の中ってなんだろ どこかに 自分みたいな人がいて 同じみたいな人がいて その人も 冷たい涙流してるのかな 誰のためとも思えない涙