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詩集 月光読書 弍

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何気なく思いついた詩を書いていきます。最初の月光読書はノベルデイズにあります。https://novel.daysneo.com/author/lunagon/
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記事一覧

【詩】精霊が呼んでいる

──精霊が呼んでいる あの青々した木陰で あの澄んだ湖で ──精霊が呼んでいる 他の誰にも知られていない名前で呼ぶ わたしはここに居る 確かにわたしはここに存在する ──精霊が呼んでいる 虜になった踊る子供たちは どこまでもどこまでも 飛んでいく 空を目掛けて飛んでいく ──精霊が呼んでいる 無口になった鳥よ 肩に乗って 囀ることを忘れないで 戻ってくること何時だって待っている ──精霊が呼んでいる 暗い洞窟で カンテラ持って歩く老人は

【詩】色褪せてく通り道

「  愛してるって言わないで とても哀しくなるもの   」 庭に埋めたあの木蓮の木が咲く頃には 一緒に居られるかわからない 遠すぎたね私たち 一緒に笑った日々が 今は懐かしい 貴方あまりにも歩くスピードが早すぎて 私たまにツンのめった あの通りに あの町の角に並ぶ私たち どこか不釣り合いに見えたでしょうね 貴方は太い黒縁の伊達眼鏡かけて おどけて見せた 私はでも苦笑いしただけだった いつかそんな思い出までも遠い未来には 楽しく語れる時が来るのかな 貴方と歩んだ人

【詩】春夏秋冬

春、景色、虹色の花全てが芽吹く 私の頭の中でも 確実に何かが変化する 窮屈な冬が消え まどろむ景色の中 様々な色彩が踊り狂って咲いている 今はまだ現れない日々が またいつか追いかけてくる それが私の春 苦しい春 真夏の夜の出来事夏の蝉が煩いと言ったのか あれは騒音ではなくて 小さな生き物の声なのよ 命の証がそこにあるの 地上に食らいついてる姿がある 蜻蛉のような貴女は 涼しい顔して町を歩くけれど 「 ほら そこに死骸が落ちているわ 」 晩秋満たされている家はわかるもの 部

【散文詩】ジャック

昨夜の子供は何処へ行ったのかとジャックは訊いた。 それは観ている映画の話だったけど、余分なお酒などないのだと 何度も言ったのに真っ暗な中、一人酔っ払って頷いている。 いつだったかカナダのナイアガラに行った時 美味しいジュースみたいなワインを飲んで喜んだ二人の 思い出なんて、きっと忘れているのね。 そんなことを考えながらキッチンで私も一人でタバコをふかしながら お酒を飲んだ。 ありがとうと大好きも、あの頃は自由気ままにお互い言い合って 笑っていたのに長い歳月が変えてしまっ

【詩】どうしようもなく螺旋の渦

これは静止した世界で起こる 何時でも側にいてくれる人なんていない あなたがどうなんて言葉は出てこない 孤独で 孤独で 孤独で でも孤独で死んでしまう事もない 只生きてるだけの屍になる 空中に浮かぶ霧のようになり 誰かの息になるなんてことはない それが世界中でいちばんの孤独だなんて いったい誰がわかるだろう すぐに見渡してみて 周りにある堤防が決壊しそうで 怖くなる 唇から出る黒いものは何? それは澱のようなもの 孤独という名の澱のようなもの

【詩】落下する夕焼けの中で

怒りに対する防御が悲しみなのか とめどなく流れる涙でさえ 許してはもらえない 相手を刺すような物言い 廃屋になった魂の行き場 黄昏時のあなた 泉を模倣した雫 微かな遠吠え 誘惑の懺悔 黄昏時のあなた 渾身の一撃 忌々しい怪奇現象のような されど行き着く先は奈落 遠回りの路地 朝焼けが目に沁みる 黄昏時のあなた 憂鬱な蕁麻疹 それぞれが全て意味のあるように 存在する景色の中 心は磨耗する さあ勇気を出して生きろと 逝ってしまいそうな結実が 叶いそうにない努力が 捕まえよう

【詩】愛を知らない貴方へ

まんまるのお月様にのって 飛んだり跳ねたり 笑って 笑って 貴方の頭に乗ったり 幸せになろうよ 一緒に 知らない世界見たりしてさ 目に見えないものを 探して歩こうよ 黄昏の中佇む貴方見てると 不安になるよ でもさ きっと楽しいこといっぱいあるからさ わたしのこと好きになって 幸せにする覚悟はできてる いっぱい いっぱい 笑わせるから だから一緒に手を繋ごうよ 愛してるよ 大好きだよ こんなに想ったことないよ だから愛を知らない貴方へ これだけは確かな言葉の羅列 いっぱ

【詩】健気な涙

雫が溢れる頬拭いて 波間に映る影見つめた 貴方あの笑顔 ずるいその横顔が 切なくて いつか握ってくれた 優しい手 大きな 今は宇宙の彼方で 待つ約束もなく

【詩】海の中聴こえる

君の声 聴こえる 微かに たしかに 聴こえる 小さく 小さく 途切れそうで 哀しみに 満ちた声 手を握って 引っ張り出そうと 海の中 荒れ狂う世界で たったひとり 生きている 君の声 聴こえる わかっているよ 気づいているよ 必ず 助け出すよ 待っていて

【詩】冷たい君の涙

冷たい君の涙 本当に僕が好きなの 過去に戻って束ねた光 君は笑っていた キスすれば 恥ずかしがって 俯いてたね 冷たい君の涙 本当に僕が好きなの 風船のように想いが 風に乗って飛んでいくよ 本当は心がもうここにないって わかってる わかってるけど 手放せない ごめんね 臆病で 困った顔しないで 勇気が出たら 君を解放するよ 冷たい君の涙 わかっているよ 次に泣くのは僕だって その時はきっと 温かい涙が出るよ 僕のためじゃなくて

【詩】無題

【詩】無題 あなたの横顔が美しすぎて さよならが言えない 昨日のその前も同じように 同じ場所で息をして生きた 何年待てば その手をにぎる事ができるのか 百年待てば もう気持ちも風化してしまうだろうか あなたを待って どのくらい経っただろう それは長くて遠い道のりだった やっと出会えても お互い愛が消えていて 一緒にいることしかできなかった あなたの横顔はいつも美しくて 今だにさよならが言えない どうか先に旅立つことを許して欲しい さよならは

【詩】寂しい時に聴こえてくる音楽は切なくて

寂しい時に聴こえてくる音楽は切なくて 愛を問いかけ 愛を知り 愛によって裏切られる 世界は荒廃するばかりなのか 気分次第で 人を許せず そして許し 君たちは前に進む そんな中救ってくれるのは どんな救世主なんだい 寂しい時に抱きしめてくれる手もない 悲しい時に一緒に泣いてくれる人もいない 孤独の中生きる 新しい出会いを信じて生きる それがいまの世界 順序よく並ぶ行進が テレビに映ってる それを見て腹正だしく感じるのは 病んでいるからだろうか 蝿が頭の上を飛んで

【詩】夢

夢みたいなこと 何時迄も考えて 子供の時間は終わったんだよ 大人になった君は僕にそう言った ランドセルに詰め込んだ たくさんの思い出たちは 宝箱にしまわれて出てこない そろそろ先に進もうか だってこのままじゃあ 辛いだけでしょう? 君は沢山の常識を鎧にして生きている とてもじゃないけど壊せそうにないな 夢なんて言葉で終わりにすることのできない自分が 空回りして体が宙を浮きそうになる 愛だけじゃ食べていけないって 聞いたようなセリフを吐いて 追いやってしまうのを許した

【詩】冷たい君の涙

冷たい君の涙 冷たい君の涙 本当に僕が好きなの 凍てついた心が確かな言葉を信じるよ そっと触れて あの優しい月みたいに ああ 過ぎ去っていく青春よ ああ 無口な影よ 貴方となら どこにでも行けると信じた過去よ どうかこの愛を受け入れて 涼しい顔の猫のような そんな顔をしないで 報われるなら 何処にでも行けると信じたあの日々よ 帰ってきて 冷たい君の涙 本当に僕が好きなの あの丘に登ってみても 答が出ないんだ それは永久に出ないのか 教えて欲しい