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【詩】放漫な肉体の中の悪魔

水飛沫がとんで顔に撥ねた
些細な言葉で心が疲労する

燻し銀の眼鏡がズレて落ちそうで
人さし指と親指を使って徐に戻す

そんな仕草が心を摩耗する

貴方はされど
ここには堕ちてはこない
頂に登って上目遣いで眺めてる
興奮で息づかいが荒くなる
最高潮に達すると冷酷な姿に変貌する

それが誰かといわれれば
それは誰でもない
自分なのだと思い知る

季節外れの外套が
物語っているのは
不自由で侘びしい己
引き摺って歩くには重すぎる岩

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