りゅぞー
小説1作目です。
青い星は、今日も綺麗だと思います。 この星の中で、あなたは今日も歩くのでしょうね。 元気でいるといいな。 たまには、自分を気遣ってあげてください。 「――の笑顔は太陽よりも眩しいな」 あの優しい言葉を、もう一度聞きたい。 いつも通り、目覚まし時計の音で目を覚ます。 いつもと違うことは、スッキリした気分ではないことだ。 「あの月嶋がなぁ」 ソラの王とか訳のわからないことを言い出すとは思ってなかったし、死にかけたことも嘘みたいだと思ってる。 「まぁ、とりあえずパ
真っ暗な世界で意識を取り戻す。 記憶というデータベースから僕の基本情報を抽出しようと試みる。 僕は誰だ。 不明。 名前がわからない。 視覚は正常だと判断する。 瞼を上げて、景色をインプットする。 ここはどこだ。 不明。 知らない場所だ。 わかることは、自分が生きているということか。 「気が付いたかね?」 ドアの近くに男が立っている。 「あなたは?」 「私は君を、造った者だ」 僕を、造った? 何を言っているんだ。 この男は。 「名前はわかるか?」
あなたは元気でいますか。 私は元気でいます。 最も、違う世界にいるわけだけど。 無理はしてないよね。 このままだとあなたは堕ちてしまいそうで怖いんだ。 「何があっても、僕を追いかけないでくれ」 できれば、あなたと一緒にいたかった。 普通の旅を、していたかった。 ジリリリリ。 ジリリリリリリリ。 目覚まし時計の音が部屋で鳴っている。 「ん。もう7時か」 眠気に負けないように重い体を起こした。 カーテンを開けて、日の光を浴びる。 「いい天気だなぁ」 体
人のいない静寂な街に、雨音が響く。 秒針の音はかき消され、雫が代わりに時を刻む。 眼前にある水溜りに映る自分の姿を、 薄黒い雲を、 濡れて光る壁面を見て、前に視線を戻して歩く。 まっすぐに歩いて行けば、いつもの公園にたどり着く。 濡れたベンチに座る。 「・・・・・・ふぅ」 白く見える溜息が、空気に紛れて消えていく。 私の心は物思いにふけっている。 側溝を流れる水の音。 轟く雷鳴。 嫌なことがあったわけでもないのに、なぜか悲しく思えてしまう。 「帰ろ」