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うつしおみ 第49話 空の祈り

魂は澄み切った青空を眺めながら、
いつかあの高みを飛んでみたいと思った。

ただ、魂には飛ぶための翼もなく、
小さな足で小さく飛び跳ねるのが精一杯だ。

翼をつくってみたが、
地上を転げ回るだけで、魂を空へと運ぶことはなかった。

空に近づこうと高い山へと登ってもみたが、
空はその頂きの遥か頭上にあった。

魂はそこに手の届かないもどかしさに、
目を閉じて空に向けて祈りを込めた。

だが、その祈りとは裏腹に空と離れるよう、
暗闇に染まる心の底へと落ちていった。

ついに魂は深い心の底に降り立ち、
もうあの空を飛ぶことはできないと嘆いた。

ここはどこなのだろうと見渡したとき、
魂は自分が魂でないことに気づいた。

自分は青く澄んだ空になっていて、
いつの間にか美しい大地を見下ろしていた。

そこで自分を見上げる魂たちを見て、
あの心の底に通じるように祈りを捧げた。

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