うつしおみ 第48話 世界の願望
魂は白く煙る霧の中を歩きながら、
この先に起こることに思いを馳せる。
自分にとってより善い出来事を夢想し、
その願望を不確かな未来に届くよう念じる。
その願望を叶えるために、
魂は神々に祈りを捧げ、善行を積み、愛を育む。
その結果、世界が願望を叶えることもあれば、
期待外れになることもある。
世界はそんな魂の願望を知っているが、
魂は世界のその願望を知らないでいる。
だが、魂は世界であり、
つまり魂の願望は世界から事前に与えられているのだ。
その願望が美しく花開くこともあれば、
実を結ばずに地に落ちることもある。
その結果を含めて魂が望んだことであり、
つまりは世界が望んだことなのだ。
魂が喜び笑うことも絶望して涙することも、
世界が魂の望み通りに叶えている。
いつか魂は自分の真実を知ることを願い、
そして世界はそれを叶えるだろう。
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