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【ML#3】第三十八話での王妃との会話より、星空の下でーー

※この記事は、「竜のこどもの物語:設定資料集」の補完記事です。「ML」は「ミュージックリスト」の略称になります。

拙作の異世界ファンタジー作品、「竜のこどもの物語」に関しましては、こちらよりどうぞ。


※ 気にされる方は、本編、第三十八話までを先にお読みください。


【第三十八話での王妃との会話より、星空の下でーー】

「M.Ravel ー Piano Concerto in G」より

「II. Adagio assai」



今回の曲は、フランスの作曲家で印象派の、【モーリス・ラヴェル】の曲、「ピアノ協奏曲ト長調」より、「第二楽章」です。

どちらかといえば、新古典派に聞こえますこちらの曲ですが、すこし細かく分けながら、この記事を書いていきたいと思います。

わかりやすく、Youtubeにある動画をつかって、時間を示しながらいきます。動画は、チャンネル[Magisch meisje Orkest]さんの、「Ravel-: Piano Concerto - Argerich&Dutoit/SKD (2009Live) 」です。

※第二楽章は[8:20〜18:10]です。

よろしければ、ぜひお聞きになってから、または、お聞きになりながら、読んでみてください。

・・・

「II. Adagio assai」

Adagio アダージョは「遅く、静かに」、

assai アッサイは「非常に」の意。

・・・

[8:20〜18:10]

08:20 ピアノ独奏
11:13 木管のリレー
12:15 イングリッシュホルンとピアノの対話
12:52 静かなオーケストラの和声
13:13 ピアノのメロディ
13:34 オーケストラ低く唸る低音を伴った合唱
14:30 再びの対話、豊かなイングリッシュホルンの歌声
16:45 フルートから再び、イングリッシュホルンへ
17:18 弦楽の豊かな和声から曲の終わりへ

・・・

曲のはじまりーー。

[8:20〜]
 メロディが一音ずつ、丁寧に奏でられていく。次第にその長調の明るいメロディーは、不安定にも、長調と短調を行き来する。

[11:13〜]
 続く、儚げなピアノの単旋律。そこから、優しいフルートの音色へとメロディーを渡し、どこか触れたら壊れてしまいそうな、高音のオーボエがそれにこだまをする。
 それを受け止めるクラリネットが現れ、最後はフルートが優しく力強く歌って、旋律を受け継いでいく。

[12:15〜]
 フルートが歌い終えると、再びピアノの音色が聞こえ始める。今度は、イングリッシュホルン(または、コーラングレ、アルトオーボエなどとも。)との対話が始まる。

[12:52〜]
 それから、静かに見守っていたオーケストラの厚みのある和音が、穏やかに優しく旋律を包み込んでいく。

[13:13〜]
 ピアノのメロディから始まる。次第にそれは、オーケストラの合唱が、低く唸る低音を伴って、さらなる魅力を引き立てる。短調に引っ張り、不安定さを以って、かつ、徐々に厚みをもたせ、それを、最大限にまで膨らませた後、

[14:30〜]
 イングリッシュホルンの、暖かみのあるメロディーが現れ、長調の安定を保った、豊かな表情が紡がれていく。その豊かな旋律の背後では、ピアノの音色が、きらきらと輝いている。
 細波のような弦楽奏のなか、イングリッシュホルンは、まるで鈍く輝く、橙色の太陽のように歌う。

[16:45〜]
 ふいに、風のように、颯爽としたフルートの音色が現れ、再びイングリッシュホルンが鈍く輝く。

[17:18〜]
 そして、瞬く星のようなトリル(ピアノの奏法の一つ)のなか、弦楽の重奏が、穏やかな曲の終わりへと導いていく……。

・・・

 この情景が、美しき悲しみを、さらに希望で上書いて、主人公に語ることを強いられた、王妃のその心情と、
 ただそこに、光の粒子を放って咲く、竜になることを選ばなかった色とりどりの花々。

 それらが彩った、無限に広がる満点の星空と、月が輝いては揺れる湖とが、絶妙に合わさっているように、私には聞こえたのでした。

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