高齢者や子どもから学ぶ時間の流れ。彼らのもつ時間の流れはとてもゆっくりだ。
日々、高齢期の方と多く接している。
そして、傍ら、子どもを育てている。
保育園や学童、小学校に足を運ぶ機会もある。
高齢期の方と接していると、多くの方の時間の流れはとてもゆっくり。
動作もゆっくりになるし、話すスピードもゆっくりになる。
先日あたたかい日にお邪魔したあるお宅には、ピアノが置いてあって、そこには「冬景色」の楽譜が立てかけられていた。
「ピアノ弾くんですか?」と聞いたら、「最近はめっきり。」と仰っていた。冬はとっくに過ぎ、春もだいぶ進んだこの季節に、冬景色の楽譜をみて、外の時間の流れのスピードとこの高齢期の女性の時間の流れの違いを感じた。
同じ時間が流れているはずだけれども、時間感覚はまるで違う。
その方が少し目を伏せたり、探し物をしていたりする間もとても長く、私は楽譜を眺め、少し指を動かし、心の中で冬景色を奏でる余裕もあった。
少し、話はそれる。
色んなお宅へお邪魔させていただく機会があるけれど、一歩足を踏み入れた瞬間に昔祖父母の家に行ったときのような感覚になるような懐かしさを感じる時もある。時代がタイムスリップしたような懐かしいものが置いてあったり、古めかしい習慣を今も続けていらっしゃるようなお宅もあり、一瞬で昔に行ってしまう。
自分のもつ時間軸とは違う時間軸に触れるととても不思議な感覚になる。
同じように、子どもたちのもつ時間軸もまた独特だ。
子どもたちは、気づいたら大きくなっているけれど、彼らのもつ時間軸もゆっくりでもあるなと感じる。
大人の足なら1分もかからず行けるような距離でも30分を費やすこともできる彼ら。小さな花に目を向けたり、虫を見つけたり、石を見つけたりする。
そして、笑ったり、座ったり、ぐずったり、泣いたり、しまいには地面に突っ伏して泣き叫び、動かなくなったりする。
気づいたら、時間がすごく進んでいる、なんてしょっちゅうだ。
そんな彼らを見て、自分を振り返ると、とてもせかせかとしている。
「現役世代は忙しいよね」と多くの方に言われる。
「忙しい中、ありがとう」とも言われる。
今はきっと多くの役割を担い、色んなことを前に進めていく時期。
今、私のもつ時間軸はきっと忙しく、慌ただしく、スピードの速いものなのかもしれない。
でもそんな中でも、高齢期の方や子どもたちと接する時間をもつなかで、少し立ち止まったり、深呼吸したりして、違う時間軸に触れることも大切にしたいと思う。
同じ時間が流れているけれど、人それぞれ、いろんな時間軸を生きているのだなと思う。
色んな世代と接することは、とても面白い。
色んな時間軸をもつ人らが交わっていることを想像するととても面白い。
日々、慌ただしくて、朝だと思ったら、もう夜で、一息つこうと思っても、なかなか座る時間が取れなかった、なんてしょちゅうだったここ最近に思った時間軸の話。
今日も素敵な一日をお過ごしください。
今日も読んでくださり、ありがとうございました。
そら
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