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ポートフォリオからの除外理由として最もよく使われる理由「気候変動」について

気候変動への懸念は、金融機関がポートフォリオから除外する際に最もよく使う理由と言われています。あるNPO連合の調査によると、除外理由の40%は気候変動への懸念、17%は兵器製造への関与、12%はタバコ製造への関与によるものということが明らかとなっています。本稿では、ポートフォリオからの除外理由として最もよく使われる理由の「気候変動」についてお話したいと思います。


どのような企業がポートフォリオから除外されているのか?

NGO連合(Friends of the Earth Netherlands、Fair Finance International、Profundo)は、年金基金150社、保険会社、銀行による除外を調査し、金融機関87社によって除外された4,532社のリストを作成しました。その調査結果によると、最も多くの金融機関から除外されていた企業は、韓国のPoongsan Corporationでした。金融機関は、クラスター弾などの兵器製造への関与がPoongsan Corporationを除外した理由として説明しています。Poongsan Corporationに次いで除外された企業は、米国の防衛企業Northrop Grunmanとインドのコングロマリット企業Larsen & Toubroでした。

除外された企業の中には、化石燃料に関する企業も含まれています。そのうち、機関投資家や銀行から最も多く除外された企業としては、Cenvus EnergyやSuncor、ExxonMobilがあります。

調査結果が示すもの

この調査結果は、化石燃料が「罪ある株式(sin stocks)」になりつつあることを示していると1ProfundoのWard Warmerdam氏は主張しています。また、同氏は石油・ガス会社は投資家を失うことを避けるために、エネルギー転換に関する取組を加速させる必要があると指摘しています。

罪ある株式とは?

非倫理的・不道徳な活動に関与していると見なされる企業の株式のことを指します。例えば、軍需産業やたばこ、アルコール、ギャンブル、風俗などが挙げられます。

金融機関は具体的に何を懸念しているのか?

近年金融機関による化石燃料企業の除外が広がっている背景には、気候変動による財務リスクの懸念があります。具体的には、環境に優しい経済(グリーン経済)への転換に適応できない企業が、今後売却することが難しくなることを金融機関は恐れています。

参考文献


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