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気候方針を巡って石油会社に圧力を強める機関投資家

欧州の資産運用会社27社で構成される投資家グループは、石油大手シェルに対して、パリ協定に則した中期GHG排出目標の設定を要求しており、次回の株主総会にて株主提案を行う予定です。気候方針を巡っては、投資家グループとシェルの間で意見が相違しています。本稿では、お互いに何を主張し、どのような点で意見の相違があるのか見ていきたいと思います。 投資家グループは、シェルに対して、パリ協定に準拠したGHG排出目標の設定を求めています。具体的には、スコープ3(顧客に販売した商品の利用等)の

    • ESG評価の未来について

      ESG評価は、機関投資家を中心に様々な分野で企業のサステナビリティを評価する指標として活用されています。 また、ESG評価は従来のビジネス慣行を変えているという点で、持続可能な社会の実現に向けて大きな役割を果たしています。 しかし、ESG評価も、業界が成熟する中で、評価手法の透明性や評価の信頼性の欠如など、様々な問題が指摘されています。 ここ数年では、そのような指摘を受けて、各国政府や規制当局などが相次いでESG評価に関する行動規範及びガイドラインを発行しています。

      • 2023年はESG関連決議への支持が急落

        世界大手資産運用会社の間でESG関連決議への支持が急落していると言います。 ESG投資を推進する慈善団体ShareActionの調査によると、資産運用会社の中で運用残高上位のブラックロック、フィデリティ、盤ガード、ステートストリートは、昨年特に、ESG関連決議の支持に消極的であったと言います。仮にこの4社が支持した場合に、株主決議が賛成多数となった議案は、実際の9倍以上に上るとのことです。 なぜ資産運用会社は2023年にESG関連決議を支持することに消極的になったのでしょ

        • 企業サステナビリティデューデリジェンス指令(CSDDD)とは何か?

          EUでは企業に人権や環境に関するデューデリジェンスを義務付けるルールの検討が進んでいます。本日は、企業のバリューチェーン全体にデューデリジェンスを義務付ける「企業サステナビリティデューデリジェンス指令(CSDDD、Corporate Sustainability Due Diligence Directive)」についてお話したいと思います。 どのようなルールなのか? CSDDDは、人権や環境に関するリスクを特定して是正するデューデリジェンスを企業に義務付ける規則です。本

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          森林破壊防止規則(EUDR)とは何なのか?

          2023年6月にEUで発行された森林破壊防止規則(EUDR、EU Deforestation Regulation)をご存知だろうか。昨今、TNFDや生物多様性が気候変動や人権の次のグローバル問題として注目を集め、話題になっているが、具体的に各国がどのようにその問題に対処しているのかは知りませんでした。そこで今回は、環境分野で先進的な取り組みを進めるEUの規則について見ていきたいと思います。 どのようなルールなのか? EUDRは、EUで森林関連製品(農産物)を輸入・販売・

          森林破壊防止規則(EUDR)とは何なのか?

          企業サステナビリティ報告指令(CSRD)とは何なのか?

          本日は、EUが2024年度から適用を開始する「企業サステナビリティ報告指令(CSRD、Corporate Sustainability Reporting Directive)について、お話したいと思います。 どのようなルールなのか? CSRDは、EU域内外の企業約5万社にサステナビリティに関する情報開示を義務付けるものです。開示情報については、気候変動や生物多様性、人権など多岐に渡ります。情報開示にあたっては、企業が環境や社会に与える影響と、環境や社会が企業の財務に与え

          企業サステナビリティ報告指令(CSRD)とは何なのか?

          急増するESG規制

          2011年から2020年に施行されたESG関連の規制は、約1200あると言います。その数は、2001年から2010年の10年間と比べると2倍超に増えています。本日は、そのESG関連規制についてお話したいと思います。 欧米のESG政策の特徴 欧米のESG政策は、人権や環境のルールを守ることが競争力に結びつくようにルール作りをしていることが特徴です。すなわち、それは企業にとって、人権や環境対策を重視しないと競争に勝てないことを意味します。 企業にESGの取り組みを促す原動力

          急増するESG規制

          世界平均気温、今世紀末までに2.9度上昇する見通し

          国連環境計画(UNEP)は、11月20日、温室効果ガスの排出について分析した報告書を発表しました。 報告書のポイント 各国が2030年に向けて掲げた温室効果ガスの削減目標を達成したとしても世界の平均気温は今世紀末までに産業革命前に比べて2.5度から2.9度上昇する見通し。 2022年の世界の温室効果ガスの排出量は2021年に比べて1.2%増加し、574億トンと過去最高を記録。 気温上昇を1.5度に抑えるためには、2030年には42%の削減が必要。 参考文献

          世界平均気温、今世紀末までに2.9度上昇する見通し

          気候変動が及ぼす健康リスクに備えよ!

          EU加盟国は、気候変動が人々の健康と医療システムに与える負の影響について警戒感を高めています。米国を中心に気候変動対策への反発が強まり、環境政策が後退しつつあることに伴い、気候変動に関連する健康リスクへの対策と準備が必要であると警告しています。 気候変動が及ぼす健康リスクとは? 高い気温、洪水や干ばつを含めた降水パターンの変化、異常気象は、人々の健康及び医療サービスの提供に負の影響を及ぼしており、その影響は今後益々拡大すると言われています。 例えば、気温上昇が世界で最も

          気候変動が及ぼす健康リスクに備えよ!

          コバルトのサプライチェーンに潜む人権リスク

          本日は、コバルト採掘に関わる人権侵害についてお話したいと思います。コバルトは、スマホやパソコン、電気自動車(EV)のバッテリーに欠かすことができない希少金属です。脱炭素社会への移行に伴い、昨今、コバルトへの注目と需要が急速に高まっています。 コバルトは何の製品に使用されているのか? コバルトは、スマホやパソコン、EVに欠かせないバッテリーの主要原材料として、エレクトロニクス産業で幅広く使用されています。 コバルトの主な生産地はどこか? コバルトの主な生産地は、コンゴ民

          コバルトのサプライチェーンに潜む人権リスク

          ジェンダーバランスの取れた企業が同業他社を上回る業績を上げていることが判明

          MSCI World Indexに関するブラックロックの最新調査報告書(「Lifting financial performance by investing in women」)によると、2013年から2022年の間に、従業員のジェンダーバランスの取れた企業は、最もジェンダーバランスの悪い企業の業績を年2%上回っていたことが明らかとなりました。本日は、同報告書の概要をご紹介したいと思います。 男女平等とROAの関係 ROA(総資産利益率)の高さは国やセクターを問わず当て

          ジェンダーバランスの取れた企業が同業他社を上回る業績を上げていることが判明

          サプライチェーンにおける強制労働リスクをいかに下げるか

          KnowTheChainという国際人権NGOの調査によると、情報通信技術(ICT)関連企業は、サプライチェーンを通じて強制労働と繋がりが強い業界と言われています。グローバルに事業を展開するICT関連企業の多くは、既にサプライヤーに対して自社の調達基準を遵守するだけでなく、さらにその先のサプライチェーンに対しても同様の基準を満たすように要求うするようになっています。しかし、同NGOの調査では、そのような基準の順守はTier 1と呼ばれる一次サプライヤーで止まっているといいます。

          サプライチェーンにおける強制労働リスクをいかに下げるか

          ポートフォリオからの除外理由として最もよく使われる理由「気候変動」について

          気候変動への懸念は、金融機関がポートフォリオから除外する際に最もよく使う理由と言われています。あるNPO連合の調査によると、除外理由の40%は気候変動への懸念、17%は兵器製造への関与、12%はタバコ製造への関与によるものということが明らかとなっています。本稿では、ポートフォリオからの除外理由として最もよく使われる理由の「気候変動」についてお話したいと思います。 どのような企業がポートフォリオから除外されているのか? NGO連合(Friends of the Earth

          ポートフォリオからの除外理由として最もよく使われる理由「気候変動」について

          AI革命は大量失業に繋がるとは限らない

          生成AIの登場によって広範囲の職業分野で雇用の喪失が予測されています。果たしてその予測は正しいのでしょうか。新しい技術の登場は、雇用にどのような影響を与えるのか。歴史の観点から考察したいと思います。 新しい技術は雇用を生む 歴史を見ると、新しい技術の登場は、雇用の喪失をもたらすというより、むしろ雇用を生む傾向にあります。1750年代にまで遡るドイツ銀行の調査によると、失業率は技術革新の導入ではなく、景気循環に連動することが分かっています。また、世界経済フォーラムの調査では

          AI革命は大量失業に繋がるとは限らない

          株式売却はサステナブル投資の答えではない

          株式売却、いわゆるダイベストメントは、サステナブル投資と呼べるのか。その問いに対して、興味深い記事がありましたので、ご紹介したいと思います。 投資家が脱炭素を考えるとき 投資家が脱炭素を考えるとき、ダイベストメントは有効な選択肢のように思えます。投資家は石油会社やガス会社と関わりたくないので、株式を売却するか、そのような企業を保有しないと約束するファンドに投資します。 ダイベストメントを正当化する理由 脱炭素のために、投資家はなぜダイベストメントを選ぶのか。それには2

          株式売却はサステナブル投資の答えではない

          【投資信託】2種類の分配金

          2種類の分配金があることを知ったきっかけ 特別分配金とは? 特別分配金とは、投資元本を取り崩して支払われる分配金のことです。投資分配金は元本の払い戻しであり、利益ではないため、非課税扱いとなります。 普通分配金とは? 普通分配金とは、投資元本を超えた部分で支払われる分配金のことです。利益となるため、課税されます。 これから投資を始める人、投資信託を購入する人は、分配金ありの投資信託や毎月分配型の投資信託にご注意ください。投資信託説明書(交付目論見書)や運用報告書を

          【投資信託】2種類の分配金