ESG評価の未来について
ESG評価は、機関投資家を中心に様々な分野で企業のサステナビリティを評価する指標として活用されています。
また、ESG評価は従来のビジネス慣行を変えているという点で、持続可能な社会の実現に向けて大きな役割を果たしています。
しかし、ESG評価も、業界が成熟する中で、評価手法の透明性や評価の信頼性の欠如など、様々な問題が指摘されています。
ここ数年では、そのような指摘を受けて、各国政府や規制当局などが相次いでESG評価に関する行動規範及びガイドラインを発行しています。
新しい規制・ガイドラインの導入は、ESG評価の課題解決に繋がる反面、意図しない結果を生む可能性もあります。
例えば、規制遵守のためにこれまで以上にコストがかかるため、参入障壁が形成されて、業界内の競争が失われ、結果的に消費者が高いコストを支払うことになる可能性もあります。
また、評価手法やデータに関する透明性の向上はESG評価に対する信頼性を高めますが、そのデータを利用するユーザーがそれに見合う高いコストを支払う準備があるのかは疑問が残ります。
ESG評価は今後どこに向かうのでしょうか。ESG評価の未来としては次の3つが考えられます。
ESG評価は機関投資家が投資判断を行う上で今後益々重要かつ中心的な役割を果たすものと想定されるため、今まで以上に厳しい規制が導入される。
規制の導入や評価の標準化以外で、ESG評価の質や利便性の向上が模索される。
昨今の反ESG投資の動きを受けて、ESG評価がメインストリームになる前に業界が衰退する。
参考文献
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