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娘のBCG跡が膿むどころかどんどん薄くなって跡形もなく消えた話


 こんにちは、ソラと申します。

 いつもはnoteで育児にまつわるエッセイを書いていますが、今日はここで、娘の予防接種についてずっと不安をかかえていたことについて書いてみようとおもいます。


BCGの予防接種を打つ前


 現在4歳になる娘は、いまのところ定期接種・任意接種のどちらのワクチンもすべて打ってきました。

 とくに生後6ヶ月までに打つBCGは、生涯に1度だけ打つもので、役所からも医師からも必ず接種を受けるように指導されています。
 それだけ念を押すからには相当重要なワクチンなんだろう、という無意識の思い込みが、わたしのなかにはありました。


BCGの予防接種を打ったあと


 そしていざBCGの予防接種を受けたあと。

 打った直後には、BCG予防接種の注射を打った娘の腕に、うっすらと針の跡が残っていました。
 これがこのあとどんなに腫れ上がるのだろう……と想像しながら、接種後の注意書きで『コッホ現象』についても書かれた用紙と娘の腕を見比べて、摂取後の経過をよく観察すること、約2週間。
 ふしぎなことに、娘の腕にうっすらと残っていた針の跡は、赤く膿むどころかどんどん薄くなっていきました。

 不安になって、ネットで調べまくる新米母ことわたし。
 出てきた答えはどれも「すぐには腫れない」「1ヶ月くらい後に膿んできた」といったものでした。

 そして1ヶ月が過ぎ、2ヶ月が過ぎ、3ヶ月が過ぎる頃には、もう左右どちらの腕にBCGを打ったのかひと目ではわからないほどに跡はうすく、消えかかっていました。


医師への相談


 不安はつのり、かかりつけ医に相談しました。

 すると、娘のBCG跡を見た小児科医の先生は「うーん……まあ、大丈夫でしょう」の一言でおしまい。
 小児科医が大丈夫というなら大丈夫でしょう……か?
 ほんとうに?

 不安な気持ちは残りました。

 セカンド・オピニオンのつもりで、市の4ヶ月健診でも「娘のBCG跡が一度も腫れずに消えていった」ことを相談しました。
 そこでも、診察をしてくれた先生に「まあ、大丈夫でしょう」といわれて終了。

 ふたりの小児科医が大丈夫というのだから大丈夫……なんだよね?と、じぶんをむりやり納得させようとしましたが、どうしても、ほんとうに?まちがいなく大丈夫?という気持ちが消えません。

 そして検索魔、ふたたび。

 調べても、調べても、周りに聞いてみても、BCGの跡がきれいに消えてしまったという話は目にも耳にも入らない日々。
 ときどきヒットしたお医者さんのコラムなどで「ごくまれにBCG跡が腫れない子もいます。免疫がついたかどうかは、ツベルクリン反応で調べるしかありません」と書かれているのだけは何度か目にしました。
 けれども、ツベルクリン反応まで調べる必要があるのかどうか、素人のわたしにはまったく判断のつかないことでした。


ようやく得た救い


 そうこうするうちに、母の不安などなんのその、娘はすくすくと成長していきました(ほんとうに有り難いことです)。

 そしてきたる日、娘は市の3歳児健診を受けました。

 事前に記入する問診票の「その他、お子さんについて心配におもうことはありますか?」の欄に、娘が3歳をこえてもまだ不安の消えなかったBCG跡のことを書きました。

 むかえた、健診当日。
 内診を担当してくれたのは、おじいちゃん先生。順調に診察はすすみ、問診票の最後の欄をみて、BCG跡の相談をするときがきました。

 そこでわたしは、ついに、ほんとうに欲しかった答えを得ることができたのです。


 先生はこうおっしゃいました。


「うん、お母さん、心配になるよね。

 まず、結核を防ぐBCGがどうして大切なのかというとね、生後1歳未満で結核にかかると重度の後遺症が残ったり最悪の場合には死に至る病だから。
 だから生後半年までに打つことになっている。

 でもね、どのワクチンにもいえることだけれども、獲得した免疫は一生つづくとはかぎらない。
 極端な話、これまでに打った他のワクチンも、じつはもう免疫が切れている場合だってある。それをいちいち免疫検査してまで打ち直しますか?しないよね。
 BCGも同じ。すでに3歳をこえたこの子に、わざわざツベルクリンをして免疫の有無を調べる必要はないよ。

 だからね、大丈夫。」


 ……ああ、

 これまで他2名の先生方のおっしゃった「大丈夫」の裏側にはこんな理由があったのか、と。

 初めて理解しました。

 そしてようやく、ほんとうに『大丈夫』なんだとおもえて、不安の種をひとつ残らず心から追い出すことができたのです。

 涙が出るほど、救われました。


 帰り際、先生やまわりのスタッフの方々にふかくお辞儀をして、ほとんど無意識のうちに「ありがとうございました」の言葉を何度も何度も口にしていました。

 いまでも感謝してやみません。


 初めてのこと、わからないことだらけの育児を手さぐりでつづけていくなかで、ほんのささいなことが心配でたまらなくなったり、あるいはまだ起きてもいない未来のことで不安になることが、わたしにはよくあります。

 それだけ娘が大切で仕方がないのです。


 ……とはいえ、この、なんでもふかく考えすぎてひとりで勝手に不安でたまらなくなる性分は、治せるものならば治していきたい所存です。

 心がしんどくてやってられんわ。


おしまい

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