繊細で傷つきやすい。そんな自分が今は好き。
「もっと図太く生きたら楽になれるのに」
何度も言われてきた言葉だ。
相手からしたらなんでもない言葉を、”なにかある言葉”としてしまう自分が嫌いだった。
「繊細だね」
これも、何度も言われてきた言葉だ。
繊細で、傷つきやすくて、それでも人が好きで。
そんな自分の性格にどう折り合いをつければ良いのかわからないまま、日々を過ごしていた。
ある本には、
『人のことを気にしたってしょうがないのだから、自分の納得のいく生き方をするしかない』
と書かれていた。
ある人は、
『歳を取れば自然と図太くなるものだから、繊細なのは今だけだよ』
と言ってきた。
どちらも正しいと思う。
でも、今の僕にとってそれは正しくなかった。
人のことを気にしてきた26年だったから、人のことを気にしない方法がわからない。
今すぐ10歳くらい歳を取れればいいのだけれど、残念ながら時間の進み方は平等だ。
嫌い。嫌い。治したい。
嫌なことがあった日は気にしすぎな性格を自分から切り離したくて、どうにしかしたくて、でもどうにもならなくて、布団にくるまって夜を過ごした。
そんな自分も悪くないと思えたのは、つい最近の話。
友人の相談に乗ったときのこと。
「そこまで共感してくれるのはお前だけだよ」
と嬉しそうに照れくさそうに友人が伝えてくれた。
職場の苦手な上司にどうやって向き合えばいいか、友人は迷っているようだった。
具体的なアドバイスができたわけじゃない。
でも友人の悩んでいる状況に自分を重ねながら相槌を打ち、共感したことが、友人からすればすごく嬉しかったようで。
「自分だけが悩んでいるわけじゃないのがわかって良かった」と別れ際に言ってくれた。
はじめてかもしれない。
悩みやすくて、傷つきやすい、そんな自分で良かったと思えたのは。
理解することができる。
相手の気持ちに自分の気持ちをそっと重ねることができる。
それができるのは、どうやら全員じゃないらしい。
これからも僕は傷つくだろう。悩むだろう。
相手を諦めそうになっても期待してしまう自分が嫌になる日もあるだろう。
でも、そういう日があることで、誰かに寄り添える日もあって。
これからも繊細で、傷つきやすい自分を大事にしようと思えた。
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