(詩)夕方の坂で手を引く影法師
君のことを覚えている
長い付き合いだからね
君はよく転んで
泣き始めたら
止まらなくて
そして
なんで
泣いていたのかを
忘れて
ただひたすら泣いて
嗚咽しながらも
泣き終わったら
「さぁ次」
と言わんばかりの顔をして
泣いていたことは
忘れたかのように
遊び始める
そんな感覚を
その感覚を
私は
また得たいのだ
大人は
それが
いつからか
できなくなる
たまにこの歳でも
泣いてしまうが
それは
いつもいつも
感覚がはっきりしている
それが嫌
泣きつつも
耳はハッキリ
思考も