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たまにはジャズの話でも~好きなシンガーを気の向くままに~(その1)

子どものころミュージカル映画、古いハリウッド映画を夢中になって観ていました。ある日、ふとラジオで聴こえてきた音楽が、それらの映画で流れている音楽とよく似ている、むしろ同じ? ということに気が付きました。

その番組に耳を傾けてみると、「ジャズ」というワードが何度も語られていました。「これがジャズというものか、ということは、自分はジャズが好きなのかもしれない!」 とそれから、毎週のようにその番組を聴くようになりました。

その番組は、大橋美加さんの『ミュージック・プラザ第2部 ポップス(ジャズ・ヴォーカルとシネマの水曜日)』。大橋美加さんは大橋巨泉さん、ジャズ・シンガーのマーサ三宅さんのお嬢さんで、大ベテランのジャズ・シンガーです。番組は、ジャズ・ヴォーカルと映画の紹介、リスナーからのリクエストで構成され、流れてくる音楽はもちろん、大橋美加さんのトークがとても魅力的でした。

毎週水曜日は学校から帰って、録音していた番組の音源をわくわくしながら聴いたものです。私はこの番組を中学、高校、大学時代と聴き続けていたので、まさに私の青春時代を彩った番組です。今でもジャズは大好きで、以前はひそかにジャズのライブハウスに演奏を聴きに行ったりしていました。と言っても、自分が歌手ということもあり、ヴォーカル好き。

たまには気の向くままに、好きなジャズ・ヴォーカル、ジャズ・シンガーについて語ってしまおうと思います。

鉄火肌の女?! キャロル・スローン


前述のラジオ番組で一番印象に残っているのは、『鉄火肌の女たち』という回でした。パーソナリティの独断と偏見で選曲されていたのだと思いますが、この日はハスキーでパンチの効いた歌声の女性のジャズ・シンガーが何人か紹介され、『鉄火肌』という表現にも納得、と思いながら聴いていました。

その中で一番気に入ったのが、キャロル・スローン。1937年アメリカ生まれで、本国アメリカだけでなく、日本でも人気があり、大変芸歴の長い歌手です。個人的な感想を語ると、彼女はスキャットも得意で、アップテンポの歌は頭がシャキッとします。語るようなバラードも素晴らしく、かといって声質のせいか粘っこくないので、いつ聴いても疲れることなく爽快に感じます。

Carol Sloane with Tommy Flanagan Trio - I Love You Porgy ~ Summertime


ベルベットの霧と称されたメル・トーメ


1925年生まれ、1999年に亡くなったアメリカのジャズ・シンガーです。その歌声から「The Velvet Fog(ベルベットの霧)」と称された名歌手で、温かい歌声、幅の広い音域と表現、高度な技術には舌を巻きます。作曲家としても活躍した人で、ロバート・ウェルズと共にメル・トーメが作曲した「ザ・クリスマス・ソング」はあまりにも有名です。今ではスタンダードナンバーとなっていますが、私はやはりこのメル・トーメの歌唱が一番好きです。

Mel Torme - The Christmas Song

語りだすと止まらない、好きなジャズ・ヴォーカルのお話。次回も紹介します!

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