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思い出の世界遺産旅~紀伊山地の霊場と参詣道~


先日、興味深いニュースを目にしました。2021年3月〜22年4月に国内宿泊旅行をした回答者による「旅行満足度の高い都道府県」(「じゃらん宿泊旅行調査 2022」)をランキング形式で紹介し、その第1位が和歌山県だったとのこと(ちなみに第2位沖縄県、第3位三重県)。
私も和歌山県を旅した日のことを思い出しました。少し前の話になりますがお付き合いください。

私の大学生時代、2004年に『紀伊山地の霊場と参詣道』が世界遺産に登録され、大きな話題になりました。当時、「高野山」「金剛峯寺」「空海」など社会科の授業で学んだ程度の知識しかありませんでしたが、テレビのニュースを観ていたら、とても興味が湧いてきました。図書館や書店で関連書籍を読み漁り、行ってみよう! と決意しました。

那智滝なちのたき

思い立ったら早速行動! 熊野那智大社に行きました。ご神体は日本三名瀑に数えられ、1段の滝としては落差日本1位である那智滝。当時、大阪で仕事をしていた姉を誘い、大阪から電車やバスを乗り継いで、どんどん山の中へ入っていくと、見えてきた那智滝!! 滝の大きさ、神々しさに圧倒され、とても感動したことを覚えています。熊野那智大社に参拝し、しぶきが降り注ぐほどの至近距離で那智滝を仰ぎ、とても清らかな気持ちになりました。当時10月だったのに、山の中ということもあり、大変寒かったため、私たちは山の茶屋風のお店で、温かいうどんと、名物「めはり寿司」を食べました。今でも「寒くてうどん食べたね」と思い出話をします。

めはり寿司とは


熊野地方、吉野地方の郷土料理で、高菜の浅漬けの葉でくるんだおにぎり。大きく口を開けて食べることに伴って自然と目を見開いて食べることが名前の由来とか、目張りするよう完全に包み込むことが由来とか、さまざまな説があるようです。

(「めはりずし 和歌山県|うちの郷土料理:農林水産省」より引用)

丹生都比売神社にうつひめじんじゃ

那智滝へ行った翌日。一人で、いよいよ真言密教の聖地、高野山に行きました。思えば、初めての一人旅だったかもしれません。旅には最適な晴天で、ドキドキワクワクしながら高野山に到着、徒歩であちこち見て回りました。街全体が神聖な空気に包まれ、写真を撮ったり、大きな声を出して騒いではいけないような気持ちになっていきました(一人旅なので、騒ぐこともありませんが)。

お昼を食べたあと、事前に調べていた、丹生都比売神社に行ってみたいと思いました。神社に直接電話をし、行き方を教えてもらったところ、その行程は意外に大変そう。電車で最寄り駅まで行き、タクシーに乗り継いで到着したころには、日が傾き始めていました。

そこには、昔話に出てきそうな、山と畑に囲まれたのどかな風景が。参拝者は私一人、そして何かの取材に来ているような人たち数名で、異世界に迷い込んだような気持でした。高野山の麓に位置するこの一帯は「天野の里」と言われ、丹生都比売神社の他にも西行堂や石造五輪卒塔婆群など、長い歴史を感じさせる建造物や、石碑があり、帰りの電車の時間まで、ゆっくりと散策をしました。いよいよ帰る時間になり、待っていてもらったタクシーに乗ろうとすると、なんと丹生都比売神社の宮司さんが、話しかけてくれました。

「さきほど参拝にいらしたとき、気にはなっていたんだけど、ちょうどテレビの取材が来ていたので、案内できずに申し訳ありませんでした。東京からいらしたんですか? 今度、東京で講演会があるから、良かったらいらしてください」

たった一人の大学生に、こんなに親切にしてくださるのか、ととても嬉しく、「東京の講演会、絶対に行こう!」と心に決めて帰路につきました。

後日、有楽町の東京交通会館内にある、和歌山県のアンテナショップで開催された講演会は、小さな規模で、数名でいっぱいとなるものでした。大学の研究室のように近い距離でお話が聞けることはとてもありがたく、数か月前までは、ほとんど知らなかったこの地方の地名、歴史、文化の見識を深めることができました。

ちなみに私が丹生都比売神社を訪れた日に来ていた取材は、なんと私が好きな超有名クイズ番組『世界ふ〇ぎ発見』であることが分かり、後日放送されたときは、ワクワクが止まりませんでした(笑)

紀伊山地の霊場と参詣道の旅は、まだまだ続きますが、またの機会に。

そしてここで、お知らせです。コロナ禍の、約2年間毎週更新を続けてきましたnoteですが、年内で一旦定期更新をお休みします。ふと映画や歌の話など、書きたくなったときには、気まぐれに記事をアップしようと思いますので、これからも緩やかにお付き合いください! 

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