見出し画像

やたら遠い 芦ノ湖への 道のり

物語りかなり長め

ラリック美術館をたっぷり満喫していたら
結構いい時間になっていてすでに夕方。
早めに宿に向かいゆっくり風呂に入って
くつろぐつもりだったのに。
出だしが遅かったからこんなものかな
よし、さっとホテルに向おう!としたら
既にバスが出た後、再び呑気にバスを待つ。

とりあえず
強羅に戻りケーブルカーを乗り継ぎ
遊覧船で箱根町港に向かう予定。

時間は気にせず、気ままに過ごそう
とは思っていたものの、さすがに
遊覧船の最終時間を確認してみると
なんだかぎりぎりの時間帯
急に気持ちが慌ただしくになる。

強羅につくやいなや
「ケーブルカー最終便出まーす!!」と
駅員さんの声が響く。
慌てて走って乗り込んだが、すでにこの時間
お天気もあってか、最終便の乗客はわずか。

楽しみにしていた乗り物の一つ
ケーブルカー
斜面をゆったり登っていく
途中下車したいところもあったけれど
またの機会に


車内のアナウンスで
「このケーブルカーはロープウェイの
 乗り継ぎ最終便です
 駅での滞在時間にご注意下さい。」

考える間もなく乗り込んだけれど
一時停止していたロープウェイが
動いていて良かったなどと今更思う。

最終駅の到着時間とロープウェイの
最終出発時間も伝えられた。
ん?聞き間違えか
乗り継ぎ時間は1分しかない
滞在時間うんぬんではなく
さっさと乗り継ぎ願います?じゃない
観光気分はさらにぶっ飛んだ。
間に合うのか、乗れるのか
若干のそわそわと不安感がよぎる。


反対車線 強羅行き こちらも最終便


終着点の早雲山で扉が開くと
3人母娘さんがダッシュ。
もちろん、つられてダッシュ。
「やっぱ、急ぎますよねー」
と問いながら、1分ダッシュ。

ふうふう言って、切符を手さぐりに取り出し
ロープウェイ乗り場の入口へ着くと
係りの人は、はいはい間に合いますよどうぞ
と落ち着いた様子。
母娘さん達と一緒に無事ロープウェイに乗れた。
この3人さんの先導がなければ乗れなかったかも。

最終便の乗り継ぎ時間がタイトすぎる疑問で
「間に合ってよかった、ぎりぎりセーフ
 乗れなかったら、どうすんだろう
 山に取り残されるのかな」などなど談笑。
とりあえず、ぎり間に合った安堵感で
やっと景色を眺める余裕もでた。

が、霧に包まれほぼ周囲が見えない。

ゴンドラだけが浮き出て来る
だれもいないぶきみさ

なかなか味わえない霧の静寂な空間
別世界から抜けて行く感じ。

一瞬見えた眼下の景色
大涌谷だ、これはラッキー
後方のゴンドラも空っぽ
反対側登りのロープウェイも
さすがに誰も乗っていない
おそらく私達が本当に本日最後のお客


下山してくると少し視界が開けてきた。
湖も見えてきた
視界がとざされていたので
なんだかほっとする

母娘さん達は、降り場付近で宿泊とのこと
私は、最終便の遊覧船で箱根港に行きます
ぎりぎりだけど間に合いそうです。
ではー 👋🏻 とご機嫌でお別れ。



足早に遊覧船に乗ろうと意気込んでいると
目に前に突き付けられたのは

本日の遊覧船 営業は終了しました。

目の前の看板と封鎖のロープに絶句。

そんなはずはない、だってぎりぎり
最終便の時間に間に合ってるじゃん。
あわてて 営業終了した事務室窓口に

たのもう!! 窓をたたいた

最終便の時間はまだなのにと聞くと
あーーーーーそれはー
お盆だけのダイヤだよ。

まじっすか?

まさかの
最終ロープウェイが遊覧船と紐づいてない事実。

ありゃりゃ 
気の毒に思ってもらえたのか
事務室から出てきて下さった。
「う〜ん 🤔 そーねぇ
すごーーーい 遠回りになるけど 
この裏のバス停から、もうすぐバスがでるから
宮の下で降りて反対車線のバスに乗りかえて。」
営業時間を押して親切に教えて下さった。

あとは、船に乗るだけ・・・だった。
早めのホテル到着にはますます遠のく。
ちょっとしたショックはあるが
たどり着ける方法が残っていてよかった。

こうなると
次のバスの乗り継ぎが上手くいくのか
少々不安になる。だって遊覧船は
最後の最後にオチが待っていたし。
でも、親切に教えて頂いたおじさんの
アドバイス通りにとりあえず行ってみよう。
こういった時は、慌てて経路を検索したり
すればするほど混乱するもの。
地元民に聞くのが一番早くて的確。

戸惑いながら
指定されたバスの出発を待つ
その間、おじさんは、
無事に指定したバスに乗れそうか
もう一度、覗きにきてくれていた。
おじさんといっても同じくらいの歳だろう。
お兄さん、親切にありがとうございました。

とりあえず、待機のバスに乗り込み
呆然と気を休める。
ぼっ〜と窓の外をながめると
バスの時刻表を見ながら戸惑いがちな
外国人ファミリー4人組さんがいた。

バスの入口で、行先を告げ運転手に質問
ちょっとぶっきらぼうな運転手さんは
箱根町港? 元箱根港? どっちー!!

あーその切り返し、私もよくわからない。
名前の羅列が似たり寄ったりしすぎ。
さっき、おじさんにどこに行きたいか聞かれ
「箱根港・・・ 神社じゃない方」としか
答えられなかった質問だ。  A : 箱根町港

当然、外人さんには難しい切り返しだから
とっても困惑中。運転手さんは
宮ノ下 チェンジ Hライン
まるで、私に言われてるみたいな気さえする
これを何度も繰り返し返答されるが
口調がきつめだったので
外人さんチームは理解するのをやめて
またバス停で悩み始めた。

運転手さんは、意外に親切だった
口調はきついがバスから降りて
いいから、これに乗れ!! みたいな
意気込みで、結局ファミリーは
疑心暗鬼でこのバスに乗り込まれた。

あはは〜 私と一緒だよ
船に乗れなかったのかな。
日本人でも戸惑っているのだから
外人さんは不安だよねー。

これに乗ればきっと大丈夫
と言ってあげたかったけど
どうせ、下車したところで
話しかけられるだろうから
後部座席から眺めておくことにした。

私は、この方達とごっそり
同じバス停で降りたらいいのだ。
おかげで私の不安は解消された。
降りたら、反対車線のバス停で
Hラインに乗ればいい。
新たな詳細情報ゲット。
不安の答えはこんな形でかえってきた。


そして、いざ出発
ぐいぐい山を登り始める
どうやら、必死でおりてきた山を
逆走して戻っている感じ。
おそらく気のせいではない。

わざわざ霧の山景色を見に降りて
じゃあ帰るかと山をまた登るみたい
でもあり
振り出しに戻されるすごろくみたい
でもあり

妙な気分。

きっと
この流れが最適なんだそうに違いない
と思い込むことにした。

目的のバス停が近づくと
外人さんファミリーがソワソワ
座席から立って運転手さんを覗き込んでは
厳しく制されるといった様相を数回繰り返し
無事指定されたバス停 宮ノ下 で私達は下車。

曲がりくねった急な坂道、夕方の曇り空
この薄暗さで山の中に降ろされたら
お目当てのバスが本当に来るのだろうかと
不安にもなる。
でも、偶然にも運命共同体がいるから
大丈夫そうに思える。

バスを降りたら頼りになる日本人は私だけ。
若干、私が反対車線に誘導する
ツアーコンダクター風になっていた。

バス停には私達が目的地とする
Hラインの行先がはっきり表示されていた。
時刻表をみるとまだバスもある。
よしよし、間違いなし乗り換えはできそうだ。

外国人ファミリーさん達は
ご夫婦と年配のご両親の4人組
息子さんがこの旅行のナビといった感じ
一生懸命携帯で検索したり
家族の旅の舵取りをされていた。

案の定、私は話しかけられ
ローマ字表記の行先のメモを見せられた。
【 HAKONEMATIKOU 】
変な当て字の漢字表記はなかった。

は・こ・ね・ま・ち・こ・う
バス停のローマ字表記を指さし
はっきりと、ゆっくり読んで示したら
あ~ といった表情で安心された。

でも
日が暮れた知らない土地の山で20分も
バスを待つというのは不安がつきもの
同じ迷子の私に何度か質問されてきた。
英語は全くしゃべれないけど言いたいことの
ニュアンスはなんとなく伝わってくる。
だって、同じ迷子の子羊だから (-_-メ)

🤷🏻‍♂️何時にバスがくるのか?

🤷🏻‍♂️もう過ぎ去った携帯の検索時刻を見せ
 これに乗るの?あってる?

🤷🏻‍♂️違う行先のバスが通り過ぎると
 行ってしまったよ いいの?

🤷🏻‍♂️反対車線のHラインのバスをみて
 あれもHだけど行ってしまったよ いいの?

といった質問に思えた。

英語はしゃべれない。
最近は日本語もあやしい時がある
中学生英単語さえも思い出せない
カタコト英語もなぜかでてこない

ちっちっち ”☝🏼” と指や首をふり
ゼスチャーで示せばなんとなく伝わった。

携帯での検索機能は便利でもあるが
ダイヤがズレていたりすると
不安が増強するばかり。時刻表を信じよう。

そして、質問の度に何度も感謝された ^ ^
いえいえ、実はこちらが感謝ですよ。
先がわかっている人からすれば
いいから、乗りな!だけど 一家4人を
連れているのだから確実に動きたいはず。
乗り換えバスについての妥当な質問のお陰で
私は嫌が応にも迷子感を味わう暇もない。

まっ、運転手さんの
宮ノ下 チェンジ Hライン
このシンプルなカタコト英語が
どれほど的確かを思い知る。

ということで、なぜか頼れる
日本人になってしまった。


やっとバスが来て、来たよと合図を送ると
みんな安心の笑顔。バスに乗り込む際は
お先にどうぞというジェントルマンぶりで
優先してくれた。さすが外人さんだわー。

あとは、終点までゆっくりできる
どんな道を進むのだろう。
どこか別の道に入り込んでいる
また山を下って湖を目指す様子。

もう地図を見る気にもならなかったが
あれれ、この道
旅行のプランを考える際に
もし、時間があったらこの脇道も
通ってみたいと思っていた道のよう。
地元民のための交通手段のようで
夕方の通勤通学者が途中から乗り込む。

この通りには石像?があるらしく
立ち寄ってみたかった道筋に思えるし
何と言っても箱根駅伝ファンの私。
この道は、おそらく箱根駅伝の若人達が
必死に走り続ける道なのではないか。
往路の最終区間であり、復路の最初の区間。
そうに違いないと思うとテンションがあがる。

駅伝コースはどこだろうと事前に
目星をつけていた箱根の脇道
本数は少なくてもなんとなくバスが
通っているのは確認していた。
こんな遠回りの末、こんな形で通り過ぎるとは。

無意識層では、絶妙な仕掛けで
望みの観光プランが組まれていた。
遊覧船に乗れていたらこの旅では
おそらく通れなかった箱根駅伝コース。

このHラインでは
翌日行く予定の箱根神社のバス停も
チェックできた。

霧の晴れた、薄暗い車窓から
夕刻の美しい富士が大きく見えて感動
絶景スポットもなんとなく把握できた。

結局この経路、翌日の旅の行程を
スムーズに運ぶために役立った。
笑える程、すべて最善なんだ。


最終到着地
箱根町港の一つ手前が宿泊地だったので
急遽バスを降りることにした。
4人ファミリーが慌てて降りないように
手を振ってネクストと言って制したが
案の定、慌てて降りようとする。

カタコト英語は通じないのか
これまで主導権を握って無かった奥さんが
急に、私達もここよ!と一家を引き連れて
バスからおりてきた。

どうやら
私達は同じホテルの宿泊客だったらしい。
バス停から笑いながら一緒に
ホテルのロビーに向かう。

さっそく、お互いにチェックIN
受付で予約を確認してもらうと
ホテルマンが、慌てた表情

「お客様、・・・・申し訳ありませんが
 この人数のご予約を賜っておりません・・・」

う、うける (*^^)v 
「私達は単なる迷子の子羊たちです」
と言いたかったけど
関係のない方々ですと伝えると安堵された。
本気でツアーコンダクターだと思われた様子。

さて、そのお隣で
チェックINのファミリー代表は、開口一番
スピークイングリッシュ??とか訊ねていた。
ホテルマンならもう安心。やっと英語圏に到着。
ここまで本当にお疲れ様。

今は便利な携帯があるとはいえ
ガイドのいない外国人観光客の人達は
すごなーとつくづく思った。
箱根は思ったより広くて
いろいろな移動手段があるだけに
便利なようで、結構複雑。

あとは手を振ってお別れ
ホテル内で出逢うこともなかった。


部屋でほっと一息

すでに、すべて一体化した景色
すっかり日が暮れているが
乗るはずだった船が
ぼんやりと
目の前に見えるという
複雑な心境


せっかくだから
箱根町港をちょっと散歩してみた

あー君に
乗りたかったよ
かろうじて夕日の残像
かすかに見えるのは富士山かしら?
きっとそうだ
これはこれで
このタイミングならではの景色
しずかな湖畔
よきかな



白鳥もいた
ホテルは箱根町港のすぐそば
ホテル内に歴史がつらつら展示されたコーナーあり


箱根と言えば、富士屋ホテル駅伝
あとは美術館があるぐらいの知識しかない。
とりあえず観光の拠点となる
湖畔がいいなーと決めた宿泊地。
箱根にあるから箱根ホテル
わかりやすすぎるネーミング。なのに
迷子の時は名前さえでてこなかった。

とてもきれいな客室だったけれど
部屋のドアが凄く大きくて重くてどんな巨人が
宿泊するのかと思うほど重厚なドア🚪だった。
歴史のある深い物語があって納得した
あの富士屋ホテルの系列ホテルだった。
ちなみ富士屋ホテルは宮ノ下バス停の
すぐそばだったと今頃わかった。
近くにいたのに外観ぐらい見たかったわ。

こちらは昨年の改装でリニューアルしたて
今年が創業100周年だったらしい。
それでなんだ
きれいで広くて眺めも良くてさいこー。
アクセスもさいこー。
ただし
交通手段の時間の確認はお間違えなく。


明朝 芦ノ湖周辺

朝目覚めると
昨日とは別世界な晴天

こんなところに住みたいな
月がでていた
ホテルを覆うような雲
湖の透明度がすごい
別の船会社へのアクセスもすぐそばだった
ホテル内の庭の片隅に社
江戸時代からの社


周辺も散歩

雲が勢いよい
あちらが東なのか朝日が見える
雲おどる


箱根駅伝の
ゴール、出発地点が見れた
やっぱり
駅伝を走る選手たちは
並みのアスリートじゃないね
この山を登り下りしてみれば
この青年たちがどれだけ
すごい偉業をはたしているか
実感できる
順位なんか関係ない
走ってるだけで本当にすごい
来年の駅伝がますます楽しみに
TV中継でも見れる富士山の景色
すごすぎるからアングルを変えて


駅伝のゴール付近
あっちから青年達が走ってくる
のどかな周辺
時間があればもっとゆっくり散策したい
箱根駅伝ミュージアム
歴代の駅伝についてかな
早朝はまだ閉館
ここに入りたいほどの
ファンでもなかった


宮ノ下から下ってきた道

若人達が走る道
昨日下車したバス停
目の前がホテルだった

その目の前が箱根町港だった


一回は乗りたい
今日は絶対乗るぞと朝から様子を伺っておく
思っていたより大きい船
どっちものりたいな


朝から芦ノ湖周辺を散策し
また旅をスタートさせる。

次へ続く


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?