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SBG 10 自分自身が幸福になろう! 「自分ファースト」は身勝手とは異なる

SDGsのためのSBGs
 「学校に行くのは当たり前」の社会があれば「行きたくても行けない社会」があり、どちらの社会にも「一人」「一人」がそれぞれ住んでいます。
 私たちは、主要先進国の社会に住んでいて、「学校へ通えることは当たり前」という感覚を持っています。
 COVID-19の蔓延、この一連のコロナ禍によって、「学校に行きたくても行けない」立場に立たされました。国や家庭が貧しくて学校に行けないわけではありませんが、「行けない」人の気持ちを多少なりとも知る機会となったのではないかと思います。

 スウェーデン出身のハンス・ロスリング氏が書いた「ファクトフルネス」*に「低所得の国に住む人々で、初等教育を受けている人の割合を3択で問う質問に対する正答率が書かれてあります。
 多くの人は20%と答え、正解である40%と答えた人の割合、即ち正解率はわずか7%でした。」
 人々が描くイメージよりも実態はそれほど悪くなく、しかも年々改善傾向が見られていることを9割以上の人が知らないことを露にしています。


 このデータは、受け取りようによっては、大変危険な要素を含んでいます。
 「あー、だったらもう低所得国の初等教育を受ける施策(しさく)は重要ではないんだ」と捉えてしまうことです。
 この「感想」は、私が高校2年生を対象とした勤務校での探究的学習に当たる学校設置科目のリレー講座を行った時に、生徒から出たものです。

 さらに、残念な状況も新たに発生しています。
 新型コロナウィルスの蔓延により、低所得国の改善傾向だったものが、コロナショックの影響で、後戻りし始めてしまう事態も起こっていると国連のSDGsを推進してきたアミナ・J・モハメドさんは懸念を表明しています。*(NHK の2021年1月のインタビューより)
 学校教育でも俄(にわ)かに取り扱われ始めた「SDGs(持続可能な開発のための国際目標)*」では、キミ達も学んでいると思いますが、「誰一人取り残さず」が謳われています。
 環境、貧困、経済から倫理観に至るまでそれぞれが複合的な要素として絡み合う課題に直面する中で、個人としてどう行動に移していくかが問われるSDGsは大切な学びの一つに相違ありません。

 それほど重要な目標があるのに、本書のSBGs(サステイナブル・ビューティー・ゴールズ)を目指そうと言っているのには、先ず、「個人が幸福感をもって楽しく生きていなければ何も始めらない」という考えがあってのことです。
 日々において、幸福感を感じていない個の人間が、果たして「重要な問題である」という認識はあっても、大きな課題の解決に向かっての「個人の行動」を起こせるでしょうか。幸福感を感じていない人は、社会のことなどどうでもいいと考えがちです。それは自分が幸福ではないからです。
 世の中を幸福にするために、自分が幸福を感じて生きる人になりましょう。

ここがサスティナブル!
 SDGsのような中長期的、且つ社会的、地域的、グローバルな目標の達成には、時間と労力、そして個人の行動がカギとなります。主語を「社会」として、「社会が」として考えると、誰が行動を起こすのかが曖昧になります。社会の問題は、あくまでも個人の問題として捉えましょう。幸福感を感じて生きている「個人が」持続可能な社会の発展に貢献できるのです。
 

注:SDGs Sustainable Development Goals   国連が2015年に打ち出した持続可能な開発のための国際目標であり、17のグローバル目標と169のターゲットからなっている。さらにその中に232の指標が設けてある。

注:出典FACTFULLNESS ハンス・ロスリング他 日経BP

*SBGs Sustainable Beauty Goals は、筆者による造語です。

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