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第4回配信 SBG4 余暇を頑張るのを止めてボーっとしてみよう!

今回から、カテゴリー 2「がんばる」ではなく「楽しむ」に入ります。

 現代人は「待つこと」がとても苦手になったと言われています。当然です。ダウンロードの時間も「5分が3秒で」と聞くといいねと思うし、ネットで注文「すぐ届く」は、便利です。「お待たせしません」が、私たちの生活を覆いつくしているのですから。
 待たなくてよくなったことで生まれた新たな時間「暇」そのものを、何もしないで楽しめばよいようなものですが、今度は暇であること自体を楽しめなくなるのです。その証拠に、「ほら、直ぐにスマホを見ようとするでしょ!」
 まあ現代人にかかわらず、パスカル*も「人生は所詮、何らかの暇つぶしが必要だ」ということをパンセ*に書き残しています。時代を問わず、人には暇つぶしが必要なのでしょう。    *Blaise Pascal (1623 – 1662) *Pensées
 その暇のつぶし方ですが、現代人は、かなり一生懸命に、効率性を求めながらつぶしているみたいです。Webサイトにおいてユーザーが訪れた際に最初に目に入る部分をファーストビューと言いますが、ユーザーは、そのwebサイトが自分にとって必要かどうかを3秒で判断していると言われています。    出典:https://pantograph.co.jp/blog/uiux/firstview_design.html
 もちろん広告のプロは、このことを知った上で、インパクトのあるサイトを作成するでしょうが、インスタグラムなどで、手間をかけて撮った写真の投稿者にとっては、ショックを受ける情報ですね。「もっとじっくりと見てほしい」と。
 「暇つぶし」にも、「忙しく」が現代人のスタイルです。

「待つしかない」とか「やるべきことが無い」状態に置かれてしまったら、せっかく手に入れた「何もしないでいい」時間を、何かをすることに一生懸命(・・・・)に「消費」しないようにしてみるのはどうでしょう。
 特に日本人は、余暇の過ごし方すらも一生懸命に頑張ろうとしてしまいがちです。 せめて余暇ぐらいは、無理な行動予定を埋めこまずに、何もしない時間としてみてはどうでしょう。
実はこの「何もしないボーっとする時間」の有用性を裏付ける研究*もあります。
 何もせずにぼんやりしているときの脳では、意識的な活動や作業をしているときの15倍ものエネルギーが消費されているというのです。

 最近こそ科学的実験データが出てきたものの、前世紀には既にヴィトゲンシュタインも「反哲学的断章」の中で、「休日は、自分の仕事をぼんやりと遠くから眺めてみよう」*(白鳥春彦編訳)と述べています。

何もせずにボーッとしている時間に、脳は再起動をかけ、より活発に働いています。「ボーっとする」時間は、とても大切なものです。ボーっとした時間で脳内の情報をリセットし、クリアになった脳で、新しい領域へ展開してみましょう。「スッキリした脳で活動する女性は美しい」

研究結果参照元:*Marcus E. Raichle, MD, a neurologist, is a Professor of Radiology, Neurology, Neurobiology and Biomedical Engineering at Washington University in St Louis.

文中の引用参考書籍:「ヴィトゲンシュタイン世界が変わる言葉」(ディスカバリー社刊)

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