1年前のフライトを思い出して。
日本時間午前0時55分、長い暗闇を抜けて進行方向前方に、横方向に連なる光芒を見た。
間違いない。これはベトナムの光で去年昼間に見た感動を夜に写し変えたものだろう。
今回は飛行機の左側に座っているが、思い返せば去年は右側に座っていた。
力強く流れるメコンの姿に、これが教科書で見て名前を覚えた大河かと唸った。
夜の窓からだと、光が反射してしまって何も映らないのが残念だがこれは窓側席の特権だと納得する。
日本時間午後1時を過ぎ着陸まで1時間半に迫ったたあたりで、電気がついて車内販売が活発化する。
隣のメキシコ人は同行人3人と合わせて4人分の水を買っていた。
実は14時から何も食べていないので空腹なのだが、到着してから屋台に行こうと思えば行けるのでわざわざ割高なことは我慢する。
去年の研修は団体割を使ったANAかJALかでのフライトだったので座り心地が良いシート、無料のドリンクと機内食、それに窓から見える美しい景色で快適だった。
今回は何もかも違うけれど、そんなことなんて気にしないのが学生旅というものだろう。
一年前、イミグレーションを抜けてバンコクの風を感じた最初の瞬間も、その風の味も覚えている。
今年もまた、同じ風を感じる時が迫っている。