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「クッション言葉」が印象を変える 言葉の引出し

ある日、ソニー損保の損害サービス部門のスタッフにあてて、お客様からこんな声が寄せられました。

【お客様の声】

事故の相手に対する私の対応の仕方について相談にのっていただきました。どのタイミングで連絡を取ったら良いのか、交渉の邪魔にならないか心配だったので相談しました。丁寧に教えていただき安心して対応できました。事故当日は何回も電話をしましたがそのたびに丁寧に対応いただきました。おかげさまで早目に心を落ち着かせることができました。
このたびのご対応ありがとうございます。

この声をいただいた損害サービス部門のKさんに、普段の対応や心がけていることについて聞きました。


「保険に入ってくださっているので大丈夫」と不安な気持ちをほぐす

損害サービス部門 M.K
住宅設備機器会社の営業職を経て、2022年5月にソニー損保に入社。物損事故の対応にあたる。

お客様は60歳前後の女性でした。事故はお客様がコインパーキングにバックで駐車しようとしたときに、停車中の車にぶつけてしまったというものでした。幸い双方にケガはありませんでしたが、お客様の車と相手方の車ともに損害が生じました。

「お客様は相手方に申し訳ない気持ちでいっぱいのようでした。今後の進め方についても心配されていました」とKさんは振返ります。そこでまず「お客様はしっかりと対物賠償保険に加入してくださっています。相手の方の車も補償されるので大丈夫ですよ。あとはソニー損保にお任せください」と声をかけました。

お客様は相手方に謝罪したいと考えていました。ただ、どのようにお詫びをしたらよいかがわからず困っている様子でした。Kさんが、強制されるものではないが一般的には、菓子折りなどを持って謝罪に伺うケースが多いことを伝えると、お客様から「ぜひそうしたいです。(謝罪の)タイミングはいつがいいのでしょうか」と質問をいただきました。

Kさんは「正解はありませんし、あくまでも私の個人的な考えですが」と前置きしたうえで「早いほうがお気持ちが伝わるのではないでしょうか」と伝えました。このように相手に謝罪をしたいけれども、いつ、どのように謝罪をしたらよいのかという相談は事故対応の中ではよくあることです。

今回の事故の相手方(運転者)は、自動車の所有者ではありませんでした。所有者は運転者の配偶者でした。そのためKさんは、謝罪をするときには所有者の方にも一言声をかけるとお気持ちがより伝わるのではないかということもアドバイスしました。

お客様にとって事故は非日常のことで、わからないことが多いもの。このためKさんは解決までの見通しや、今後進める内容の全体像を詳しく伝えるようにしています。Kさんの具体的なアドバイスが、お客様の安心につながったケースです。

電話で反応がわからないときでも、アンケートが助けになる

Kさんは2022年5月にソニー損保に入社しました。前職は住宅設備機器会社の営業職として、工務店やハウスメーカー、設備が納品される現場などに足を運んでいたといいます。「直接お客様と話すこともあり、やりがいのある仕事でした」

お客様と直接やり取りをするダイレクト型の保険に興味があり、ソニー損保に転職。「面接では4、5人の面接官がすごく和やかな雰囲気をつくってくれたんです。おかげでこれまでの仕事についてリラックスして話すことができました。人を大事にする会社だと実感し、入社を決めました」

今も仕事の難しさを感じる一方で、対応力を身に付けるにつれてやりがいを感じる場面も増えています。ソニー損保ではお客様の声を業務に生かすために、サービス提供後にアンケートをとっています。「電話でお客様の反応が見えにくいケースでも、アンケートを通して『お世話になりました』などの声をいただくと次も頑張ろうという気持ちになります」

同僚にも助けられています。Kさんが電話対応に困っているときには、SOSを出さずとも近くでやりとりを聞いている先輩がアドバイスを書いたメモを手渡してくれるなど、タイムリーなサポートを自然に受けられる職場の雰囲気の良さも働きやすさのポイントです。このほか、同じ部署のメンバーと食事を取りながら、会社や仕事についての誇りや魅力について、ざっくばらんに話し合える環境も整っています。

対話を積み重ね、お客様と信頼関係を築く

冒頭で紹介したお客様の声のほかにも、Kさんが仕事へのやりがいを感じた事例を挙げてもらいました。「責任割合を巡り、お客様の思いが強いケースがありました。交渉の経過を伝えることはもちろん、弁護士の先生に聞いた過去の裁判例をお伝えするなど、密にコミュニケーションをとりました。結果として、お客様が望む責任割合にはなりませんでしたが、お客様から『心残りはありますが、Kさんに任せて良かったです』とメッセージをいただいたことはうれしかったです」

100%希望どおりにならないときでも、お客様に納得いただくためにはコミュニケーションをとって信頼関係を築くことが大切です。

その1つとしてKさんが重要だと考えているのが「クッション言葉」です。最初に「お客様の考えとは反するかもしれませんが」「不本意とは思いますが」などの言葉を一言添えることで相手への配慮を伝えることができるからです。このほか、説明の途中に「ここまでは大丈夫でしょうか」と不明点がないかお客様に確認し、対話の最後にもあらためて聞くようにしています。こうした配慮に基づく言葉の引出しの多さが、お客様の満足度の高さにつながっているのかもしれません。

先輩から教わったことを後輩に伝えたい

「実はプライベートではかなり早口なほう」というKさん。仕事ではゆっくり話すよう意識しています。また、よく行くファストフード店の店員さんの接客サービスの質の高さに、刺激を受けているそうです。

入社してから1年半がたち、対応の引出しが増えるにつれて意識も変わってきました。「先輩から教わったおかげで自分のスキルが高くなり、サービスやお客様満足度の向上につながっています。今後は私が後輩に教えられるように対応力を磨きたいです」

最後にKさんにとって自動車保険とは何かを聞きました。「自動車保険というのは、もしものときにお客様に寄り添う“私たちの対応そのもの“でないかと考えています。困ったお客様をサポートすることで加入していてよかったと安心していただくものです。安心していただくために欠かせないのが、私たちの対応なのです」

まとめ

今回は損害サービス部門のKさんにお話を聞きました。

マニュアルだけではなく、ご自身の考えを具体的にお客様に伝える姿勢を大切にするKさんから、学ぶことが多かったです。

今後も現場スタッフに関する記事をnoteに投稿していきますので、引続きよろしくお願いいたします。



上記内容は掲載当時のもので、現在と異なる場合がございます。




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