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コミュニティとウェルビーイング―言葉の定義を考える

最近、コミュニティのウェルビーイングについて考えている。

でも、コミュニティ(community)もウェルビーイング(well-being)も横文字でちょっと気持ち悪いという感覚も正直ある。

でも、SDGsとか、もっと良くわからない用語も流行ってきているから、まぁいいかとも思う。

そもそもコミュニティという言葉を考えてみる。これは、単純に地理的な意味での「地域」とは異なり、人と人とのつながりや帰属意識を軸にした集合体を意味する。「共同体」なんて訳されたりすることも多いのだけれど、共同体っていうと、連帯とか、ちょっと社会主義っぽい響きもある。

人と人とのつながりという意味では「ネットワーク」という言葉もある。この言葉は歴史学者ニーアル・ファーガソンによると、19世紀中頃まで今のような意味では使われていなかったという。つまり、ネットワークという概念自体が、社会構造の変化とともに、私たちの意識に最近出現したものなのだ。

コミュニティに話を戻すと、学術的な意味でのコミュニティは、実に94もの定義があるそうである。クラクラする。

百科事典マイペディアの定義は、なかなか分かりやすい。

共同体または地域社会と訳される。結合の形態に力点をおき、コミュニティが一定の地域性と、そこでの生活から派生してくる共同体感情との両者を基礎として成立していると考えられる場合には地域社会と呼ばれる。また結合の性質に力点をおき、コミュニティを共同の社会的特質を示すものとみて、成員間における慣習・伝統などに共通性があるとともに強い共属意識が形成されている場合は共同体と呼ばれる。

コミュニティの意味が「共同体」あるいは「地域社会」なので、「地域コミュニティ」なんて使い方をしたら「地域地域社会」という訳のわからない意味になる。昔、「エントリーナンバー◯番」という呼び方が、「ナンバー」と「番」が重なっていておかしいと言ったのはタモリであった(笑)。

次に、ウェルビーイングだ。これもまた、さまざまな定義があり、分かりにくいものである。

コトバンクの定義がなかなかに簡潔で良い。

現代的ソーシャルサービスの達成目標として、個人の権利や自己実現が保障され、身体的、精神的、社会的に良好な状態にあることを意味する概念。1946年の世界保健機関(WHO)憲章草案において、「健康」を定義する記述の中で「良好な状態(well‐being)」として用いられた。最低限度の生活保障のサービスだけでなく、人間的に豊かな生活の実現を支援し、人権を保障するための多様なソーシャルサービスで達成される。

これが、医療・福祉分野のウェルビーイングの定義としてはしっくりくる。

しかし、コミュニティのウェルビーイングとなると、どうだろうか。地域社会全体のウェルビーイング、つまり、地域社会が良好な状態とは何を意味するのだろうか。

これについては、長くなりそうなので、また次のお話。

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