実体とは何であるか——アリストテレス『形而上学』を読む
『形而上学』(希:メタピュシカ, 英:Metaphysics)とは、古代ギリシアの哲学者アリストテレスの「第一哲学」に関する著作群を、後世の人間が編纂しまとめた書物。後世において形而上学の基礎となった。アリストテレス自身は本書で扱われているような「諸存在(万物)の根本的な原因・原理」を考察・探求する学問領域のことを、「第一哲学」と呼んでいた。
引用したのは第一巻第三章、アリストテレスの有名な「四原因説」についての説明の部分である。純粋に物事の真理を知ろうとする学問の一般的な