三百七十話 合格!?

「ごきげんよう」「神のご加護を…」

朝の清冽な空気の中、女子生徒の挨拶がこだまする…。

学校の校門をくぐると、そこは身も心も清らかな乙女の園…。

そう、ここは神田ミカエル女学院…。

中庭の大天使ミカエル像が、通う女子生徒たちを守護している…。

天界の大天使ミカエルは、ここに通う女子生徒たちを見て何を思うか…?

その御心は、まさに神のみぞ知るということなのだろう…。

ここに三年間通えば、お淑やかなお嬢様になって卒業できるという…。

制服は翻さないように、静かに歩き…。

清廉潔白で文部両道、それでいて純粋無垢な心を持った乙女たち…。

この学院には、そういった生徒しか存在しないのです…。

否、今日から新たに校門をくぐった、たった一人の生徒を除いて。



その後、月日はあっという間に経ち…。

冬休みも終わり、2月もあっという間に過ぎた。

2月のバレンタインデーには藍さんたちにチョコをあげた。

かなり喜んでくれたけれど…。

お小遣いがあまりなくて、大したチョコをあげれなかった。

うぅ、自分で自分が情けない…。

ホワイトデーはなにか返してくれるかな…?

私は今から期待してしまうのであった…。

藍さんからもらうならなんでもいいのだけれど…。

藍さんに買ってもらったお洋服代も返さないとだし。

グレモリーから借りた薬代も返さないとかなぁ…?

ちなみにサタン様のカードは使うと…。

私までお尻が痛くなってしまうので…。

使わないようにしている…。

何かすごい即死魔法が使えるらしいのだけれど…。

お尻痛いのは嫌なのであった…。


私はバイトをする決意をしたのである…。

3月に入り、気温も少し上がってきたことだし…。

外出もそんなに辛くない…はず…。

できる限り楽して、稼げるバイトないかなぁ…?

座ってるだけでお金もらえるようなバイト…。

そんなのないかなぁ?

あったら、すごいやりたい…。

前に喫茶店でバイトしたことあるけれど…。

もう接客業は懲り懲りなのであった。

なんにもしなくても稼げるバイトがしたい〜。


私はある日学校から帰ってきて…。

アストラル体になった花子さんにちょっと聞いてみた。

花子さんはとある事情で半透明の魂みたいになってしまった。

花子さんはいつも半透明の裸体で家にいる…。

とてもふくよかな身体で、胸もお尻も大きいので…。

目のやりどころに非常に困るのだ…。

アストラル体になった花子さんは…。

とある事情で家から出れないのだが…。

家の庭あたりまでは出ることができる…。


たまに夜になってから花子さんを外に連れ出し…。

お散歩させてあげることがある…。

花子さんはお散歩の時も半透明の裸体で…。

外に行くと、露出系の変態さんみたいであった。

本人は元々裸が好きみたいで、嬉しそうである。

花子さんは半ば魂みたいな存在だけれど…。

たまにお庭で、片足を上げておしっこをする…。

アストラル体もおしっこするのかと…。

最初びっくりしたのだけれど…。

おしっこしてるところを私が見ていると…。

花子さんも切なそうな顔をして…。

こちらをじっと見つめてくる…。

私はなんとも言えない気分になるのであった。


話がだいぶ逸れてしまったけれど…。

私はなにかいいバイトないかな?と…。

花子さんに聞いてみるのであった…。

花子さんは少しお待ちくださいと言い…。

どこからかスマホを出して電話しだした…。

花子さんはマダムKという謎の人物に…。

電話をしているらしく…。

どうやら私のことをその人に話しているらしい。

電話を終えた花子さんはメモ書きを渡してくれた…。

そこにはバイト先の住所と地図が書いてある…。

そこに行けば雇ってもらえるのだろうか…?

私は数日悩み、バイトするか煩悶した…。

花子さんに早く行くように急かされて…。

ある日の放課後ようやく私は地図の場所に…。

向かう気になったのである…。


とある日の放課後…。

私は学校から帰ってきて…。

私服に着替えて、地図の場所に向かった…。

地図の住所は秋葉原の一角であった。

住所と地図が書いてあって、だいぶ助かった。

住所だけだと、よくわからなかったのである。

秋葉原の中央通りを横に入って…。

少し歩いていくと、それらしい雑居ビルがあった。

私は履歴書も何も持ってないことに気づき…。

慌てたのだけれど、履歴書はいらないらしい。

ホッとして、雑居ビルに入っていく…。

バイト先?は3階にあるらしい。

外階段とエレベーターがあるけれど…。

私はエレベーターに乗り込んだ…。

3階のボタンを押す…。

秋葉原のビルって、エレベーターが狭い…。

まぁ、私しか乗ってないからいいのだけれど。

程なくして、3階に着いた…。


私がバイトするところはどこかな…?

あたりを見渡すと、謎の人物がいた…。

身体のラインが丸見えの赤いチャイナドレスを着て。

なぜかサングラスをかけている…。

チャイナドレスのスリットがすごい開いていて。

その人物の綺麗なおみ足も丸見えであった。

羽飾りの着いた扇で自分を扇いでいる。

その人物はツカツカとハイヒールで…。

私の方に近寄ってきた…。

私はなんだか恐ろしくて…。

つい後ずさってしまう…。

その人物はわたしにすごい近づいて…。

私の手を握ってくるのであった…。

私はひっと悲鳴を上げてしまう。


「貴方が花子の言っていた子ね。待ってたわ」

その人物はサングラスをずらして、私を見る。

まるで品定めをしているかのよう…。

サングラスがずれて、見えるその人の瞳は…。

釣り上がって、猫のような瞳であった…。

ものすごい美人だけれど、すごい怪しい…。

髪は赤茶でソバージュみたいになっている。

この人がもしかして、マダムKなのかな?

「そう!私がマダムKよ!貴方合格!!」

マダムKは私の考えが読めるのかな?

何か知らないけれど、合格してしまった…。

こんな単純でいいのだろうか…?

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