四百二十一話 レベル0!?

『デモンズファンタジア』

それは勇者軍と魔王軍の戦い…。

魔王軍の熾烈な戦いに手を焼いた王国は。

異世界より勇者たちを召喚した…。

それでも魔王軍をなかなか倒せず…。

魔王軍の四天王…。そして…。

魔王は強烈に強かったのである…。

そのとき光の勇者が召喚され…。

四天王を封印し魔王を斃したのである。

こうして王国には平和が訪れた…。

かに思えたが…。

魔王軍の残党と魔王の子が…。

また王国に脅威をもたらしたのである。

王は光の勇者を探し召喚するように…。

宮中魔術師たちに命令した…。

果たして勇者プレイヤーは召喚に応じ…。

四天王と魔王の子を斃せるのだろうか?

しかし、此度召喚された勇者は…。

かなり変わった勇者だったのである…。



『デモンズファンタジア』という。

VRゲームをやっている私たち…。

軽くキャラメイクをした私…。

『デモンズファンタジア』は…。

現実の自分の姿を投影できるのだ。

だから私はあまり自分の姿を…。

変えないでゲームをすることにした。

種族はヒューマン…。

ジョブは召喚士にした…。

召喚士はモンスターを仲間にでき…。

召喚できるらしい…。

モンスターに戦ってもらって…。

楽できそうなので選んだのだ…。

藍さんは種族はエルフで…。

ジョブは戦士系の弓士であった。

キャラメイクが終わったので…。

『デモンズファンタジア』の世界に。

降り立った私…。

中世ヨーロッパの城下町みたいな…。

世界に出現した…。

私は自分の格好を見てみると…。

下着だけの姿になっていて…。

大変恥ずかしいので…。

すぐに装備屋さんに行くことにした。

そこで私は魔術士が着るような。

ローブを買ったのだった…。

手持ちはログインボーナスの金だ。

あと武器屋で木の杖を買った…。

藍さんはオレンジ色の…。

ビキニアーマーを買って着けていた。

すごい布面積が少ない装備だ…。

目のやりどころに困るのだった。

武器は弓と短剣を買ったようだ…。

装備を整えたので…。

次は女王がいるという…。

お城に向かう私たち…。

王女の名前はアイシリア王女。

この国の名前はアイシリア共和国。

王女の名前を取った国らしい…。

私と藍さんはお城に向かったのだが。

お城はあまりに大きくて…。

城門は巨人が通れそうなぐらい…。

ものすごい巨大であった…。

城門は開いているので…。

勝手に入らせてもらう…。

門の衛兵も何も言わないので…。

大丈夫だろう…。

豪奢なエントランスを通って…。

階段を登っていく私たち…。

最上階の女王の間に到達した…。

女王の間の前には衛兵が立っていて。

今は光の勇者が謁見中なので…。

まだ入れないという…。

光の勇者とは初めから…。

レベルと装備もカンストしている…。

すごい勇者のことだという…。

そんなチートな勇者が許されるの!?

私は驚いてしまったけれど…。

ゲームの至る所を調査する…。

公式認定のプレイヤーらしかった…。

私もそれやりたかったなぁ…。

女王の間の扉は少し開いてて…。

中の様子が少しだけ覗ける…。

女王アイシリアは玉座に座って。

何か勇者に話しかけている…。

光の勇者は跪いてそれを聞いている。

勇者の顔を見たら驚愕してしまった。

なんと私が前バイトしていた…。

喫茶店の店長だったのだ…。

店長は金髪ショートカットの…。

一見してすごいイケメン風の…。

本当は女性なんだけれど…。

すっごいかっこいい人なのだ。

でも結構怒ると怖い人なので。

私は苦手なのだった…。

バイト辞める時も店長に…。

挨拶してないので…。

店長怒ってるらしかった…。

店長は黄金の鎧を着て…。

背中からは白い翼が生えている。

天使のような一族…。

種族エンジェリックを選んだのだろう。

あまりに煌びやかな格好だった…。

隣にはすごい美女が傅いている…。

モデルのようなスタイルを…。

白銀のローブで身を包んでいる…。

そして白銀の杖を持っていて…。

腰まである栗色の髪の毛…。

優しそうな顔をした美人…。

喫茶店で働いてたときに…。

私が初恋をした女性がいた。

名前は翼さんという…。

これはゲームなのだから…。

似たような顔に…。

キャラメイクした別人かも?

と思ったのだけれど…。

どう見ても本人にしか見えない。

私はこんなところで会うとは!?

と驚愕して後退ってしまう…。



「おいそこのお前!」

突然、衛兵が話しかけてきた…。

へ?私でしょうか…?

私は女王の間に…。

店長と翼さんがいることで…。

頭がいっぱいなのですが…。

「お前調べてみたら…」

衛兵は私に少し近づいてきて…。

睨んでくるのであった…。

何か私は悪いことをしたでしょうか?

「レベル0だぞ!謁見はできない」

衛兵は持っていた槍を…。

掲げて、私たちを追い返そうとした。

レベル0!?そんなのあり得るの!?

「早々にここから立ち去れ…!」

衛兵はかなり殺気だっているので…。

私と藍さんはしょうがないので…。

女王の間を後にすることにした…。

登ってきた階段を降りることに…。

「ごめんなさい藍さん…」

私は藍さんに謝った…。

まぁ、しょうがないって…。

と、藍さんは言ってくれた…。

私はステータスを見たくなって…。

頭で念じてみた…。

ステータス画面が現れる…。



レベル0 召喚士ノア

HP17

MP16

攻撃力 3

防御力 2

魔力 4

素早さ 2

器用さ 2

運 5

契約モンスター 0



そんなステータスが出る…。

本当にレベル0なんだ…。

私はがっかりとしてしまう…。

運営Lさんに脳内で聞いてみると。

何かのバグでしょうか…?

こんなことありえないのですが…。

という答えが返ってきた…。

少し、間があって…。

でも、テストプレイヤーなので…。

このまま続けてください…。

召喚士なのでご自身が…。

戦わないで済むし…。

モンスターと契約していけば…。

どうにかプレイできると思います…。

レベルは0なので…。

上がらないかもしれません。

申し訳ありません…。

運営Lさんはそんなことを言う…。

すっごい不安なんだけれど…。

大丈夫かなぁ…?

藍さんはそんな私の様子を見て…。

大丈夫だし!あっしが守るから!

と言って、抱きしめてくれた…。

やっぱり、ゲームの世界でも…。

藍さんは頼りになるなぁ…。

私は嬉しくて少し涙ぐんでしまう。

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