見出し画像

十話 休学届け

保険医の先生にいろいろされて、疲れてしまった私…。
「安心しろ乃亜、ここは保健室。体調悪い生徒が休むところだ」
気だるい眠気に襲われてしまっている…。
私の心を読んだかのように言う先生。
眠気に勝てないので、先生の言う通り休むことにした。

「乃亜起きろ、担任が呼んでるぞ」
保険医の先生に起こされた。
窓の外を見てみると、陽がだいぶ翳っていた。
放課後に近い時間帯だろうか?
保険医の先生の隣には、担任の先生が並んでいる。
「真島さん、お母様が見えられてるわよ」
担任の先生は大人しそうな女性だ。
大人しそうな顔して、胸はなかなか大きい。
大人って!羨ましいな!
そんなことより母親が来たってことは休学のことについてだろう。
行きたくはないが、大人しく担任について行った。

そのあとは、思った通り休学についての話し合いだった。
話し合いというか強引に母親が、私を休学にしたいだけだった。
大人しい担任は、母親に反対することもなかった。
私が何回も、アイコンタクトで助けてと頼んだのに…。
全く使えない担任だ。
他にも偉い先生もいたが、結局私の休学は通ってしまった…。

最悪なことにすんなり休学が通ってしまった。
休学自体は、まぁいいんだけど精神病院に入ることが決定したということだった。
暗澹たる気持ちで下校する私。
下校には苦手な母親と姉も一緒だ。
普通なら親子団欒水入らずな会話が弾むだろう。
しかし、今までこれといった会話はなかった。
これで不詳の娘を施設に入れられるとかいう不穏な会話しかなかった。
姉はずっと無言だった。
私がいなくなるのが清々しているのか、それとも…?
無表情な姉からは、何の感情も読み取れなかった…。







この記事が参加している募集

#眠れない夜に

69,315件

よろしければサポートお願いします❗ たいへん励みになります。