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ソノノチ作品評

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#作品紹介

【寄稿⽂】『あなたはきえる』をみて/文:⾼内洋⼦さん

【寄稿⽂】『あなたはきえる』をみて/文:⾼内洋⼦さん

2023年7月に初演をおこなった『あなたはきえる』の上演会場「アトリエみつしま Sawa-Tadori」の⾼内洋⼦さんに作品を鑑賞いただき、「上演を⾒たとき/⾒たあとに⾃分の中で起こったこと」を書いていただきました。

規則正しいセミの声が、この古びた場所へと私を引き戻した。私は少しほっとして、少しがっかりした。いま過ぎた時間がもう懐かしい。

その出来事は、まるでずっと前から続く営みの延長のよう

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【寄稿】風景を眺めるために/文:福井裕孝さん

【寄稿】風景を眺めるために/文:福井裕孝さん

演出家の福井裕孝さんに、ソノノチ×Robin Owings『あなたはきえる』のレビューを寄稿いただきました。

下記、寄稿文です。

風景を眺めるために連日の猛暑ですっかりくたびれそうになりながら、自転車で30分ほどかけてようやく会場のアトリエみつしまに着いた。入り口で迎えてくださった制作のべってぃー(渡邉裕史)さんと挨拶を交わした後、「開演までこちらでお待ちください」と、舞台とは別のこじんまりと

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【寄稿】時間をかけて風景と身体をなじませる/文:平野雅彦さん

【寄稿】時間をかけて風景と身体をなじませる/文:平野雅彦さん

国立大学法人 静岡大学 人文社会科学部客員教授の平野雅彦さんに、『風景によせて2022 たびするつゆのふね』の評論を寄稿いただきました。

下記、寄稿文です。

時間をかけて風景と身体をなじませる「風景演劇(ランドスケープシアター)」、とは何か。2019年から原泉ではじまった「演劇のようなもの」を、ソノノチはそう呼ぶ。

演者は、果たして主体なのか客体なのか。前景なのか、それとも後景(背景)なのか

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