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母になる

現在妊娠38週。
もうすぐ人の母になるにあたって、自分の母親がどんな人だったら理想だったか、どう向き合ってくれていたら嬉しかったんだろうかと考えた。

母はわたしが小学4年生のときにうつ病を発症し、家族で尽くしてきた。
母は20年経った今では、ただの甘えまくりの自己中人間になってしまった。

もちろん、うつ病のひとがみんなそうなるなんて思わない。母の場合は、病人というアイデンティティにしがみついて、元々あったであろう気質が強くなっただけだろう。

母は常日頃から床に伏せ、痛み喘ぐ。「半月板損傷した脚が。」「子宮筋腫を摘出した下腹部が。」「乳がんを摘出した脇が。」
乳がん以外はだいぶ前のものだし、医者からも精神的なものと何度も言われているので本人が病人で有り続ける限り病人なのだ。

ここまで書いてわかりやすく明確に母が嫌いだ。でも素直に言うと、気にかけてほしかった。否定せず受け止めてほしかった。自分を悲劇のヒロインだと思わずに、家族の構成員のひとりだとわかってほしかったという思いがある。

病気ゆえに本人ばかりに目がいくのは仕方がないことだろう。でも、疎かにされるのは苦しかった。子供の頃から我慢してきたけど、大人になるにつれてその気持ちが発露していった。

わたしが死んでしまいそうなくらい精神的に苦しんでいるのを見て、気にかけてほしかった。
自分本位であることを認識できずに、相手を否定したがるのをやめてほしかった。自分を守るために相手を拒絶するような、貝殻に篭った母でいてほしくなかった。
そして自分はこんなに苦しいと見せつけるように日々暮らし、家の雰囲気を常に暗くしていることをちゃんと理解してほしかった。これは何度言っても聞き流された。

この20年我慢した。我が子には、親の顔色を窺わずに育ってほしい。
そのためにも、自分本位の母親ではいたくない。過保護に尽くすのではなく、家族の一員としての人間でありたい。

そもそも思いやりってのがわたしには曖昧なものなので、やっぱり不安ばっかりだな。もうすぐなのに。

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