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彼女の世界の中に居て、自分の心と向き合った(山田ズーニーさんワークショップ)

先日、山田ズーニーさんの文章術のワークショップを受ける機会があった。「いま、自分が一番書きたいもの」を見つけるために、”問い”を丁寧に作っていくことを学んだ。

最後は、それぞれの参加者が書いた文章に触れる機会があった。「自分が書きたいもの」と同じテーマで書いたのに、自分を深掘りしていく中で、多様な表現へと導かれていくのが自分のテーマでもある「解放」に通じて感動的だった。

自分がワークショップの中で書いたのは、こんな文章だ。

私は「自由」を大切にする。「自由」とは「好奇心の解放」だと思う。そこに善悪はない。ただ素直に心にそって動く。そして、みんなもそうなればいいと思う。

「自由」へのこだわりの一番古い記憶は、小学校の頃。友達が窓際でふざけて押し合い窓ガラスが割れた時だ。鉄壁の様に壊れることがないと思っていたガラスがいともたやすく割れた。そして割れた破片はパラパラと崩れるようだったのが珍しかった。新しい出来事に心が踊って、とても嬉しくなり笑っていた。

割れたガラスのかたわらで笑う自分を、かたわらの先生はひどく叱った。その時、ひとつ「自由」を喪って、ひとつ慎ましくなった。思いもよらぬ攻撃に怯えて、慌てて、どこか心にしこりを残しながら。そうやって、今までに失ってきた「自由」を残念に思う。

世界に「自由」が溢れればいいと思っている。

いざ「書きたいもの」と言われて、書く自分について深掘りし、書きたいことを探していくと、いつも、毎日想っている事がまとまった。

ズーニーさんの文章術は、おそらく個人の経験に裏打ちされて、「(ありのままが素晴らしい)自分らしさを引き出す」ことが主題になっていると思う。

思えば、これまでにいくつか文章術の講座を受けてきたが、それぞれの人が少しづつ文章に対しての捉え方が違う。
最近は著作も出されたWORDSの竹村俊助さんは「文章で伝えて、ビジネスを切り開く」ことに向いている気がするし、最所あさみさんは「自分を伝えて、まわりに知ってもらう」ことを大事にしている様に思う。岸田奈美さんは「書くことで自分が変わる」ことに向き合う様に思えた。
もちろん、受講したちょっとだけ一緒の時間を過ごさせてもらった者の戯言でしかないが、(贅沢にも)それぞれが今の時代にライティングによって人生を切り拓いた方々なので、その経験からの学びを教えていただいているのではないかと理解している。

ひるがえって、ズーニーさんは長いあいだ学生向けの小論文講座で悩み、自分自身と向き合って書くことの素晴らしさに気づき、自分の文章でいまの環境を獲得された。
自分が受けたのは彼女の言う文章術の6つあるうちの1ステップ目にすぎない。そして、最も重視することに集中したからこそ深い自己理解が生まれて、感動を呼ぶ。心が動くから、行動が生まれる。実際に、ワークショップの後に文章を書き始めた人は(自分もふくめて)何人もいる。

心地よく、彼女の世界の中に居て、自分の心と向き合った。

※ちなみに、振り返りを喋ってみてもいます。(ほぼ同じ内容だけど)


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