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ブックメモ②「コーポレートファイナンス 戦略と実践」

こんにちは!
読んだ本の気付きや感想をメモする「ブックメモ」シリーズ第2弾です。

「コーポレートファイナンス 戦略と実践」は、去年の10月ぐらいから読み始めて、週末に読み進める形で12月末までかかってしまいました。

今回は
1.読むきっかけ
2.内容(僕の感想と解釈も含む)
の順番でご紹介します。

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1.読むきっかけ

もともと僕(23歳)は大学2年生の時からファイナンスに興味があり、一年間のアメリカ留学時にはファイナンス学部に入ってコーポレートファイナンスの勉強をしていました。
そして今はIR支援の企業に勤めているのですが、クライアント企業に的確なコンサルテーションをするためにはコーポレートファイナンスの理解を再度深めておいた方が良いなとふと思いました。
また、大学時代の学習を忘れたくないという思いもあったので、Amazonで評判の良い本書を購入しました。

また、大学時代のファイナンスの授業は「知識」メインだったので、「実務」メインの本書は魅力的に映りましたね。

2.内容(僕の感想と解釈も含む)

本書の流れは、以下の通りです。
ファイナンスの全体像→会計とファイナンス→現在価値の概念→資本コスト→DCF法の概要と実践→M&Aにおけるバリュエーション→株主還元→IR→ベンチャーファイナンス

それではざっくり、本書の内容(勉強になった部分を抜粋)と感想を書いていきます。

ファイナンスの重要性

結論から言うと、ファイナンスってめちゃくちゃ重要です。
ファイナンスの教養があるビジネスパーソンは価値が高いと思います。
というのも、企業にとってファイナンスって「生きるか死ぬか」を決める大きな要素なんです。

例えば、会社を設立する際には日々の運転資金を確保しなければいけませんが、最初の売上が少ない時期のキャッシュフローで賄うのは厳しいことも多く、銀行からの融資やベンチャーキャピタル(以下、VC)から資金調達をする場合が多いです。

この際に、ファイナンスの教養を持っていない経営者は銀行からの融資を引き出す際に上手く交渉ができなかったり、VCに株式を渡しすぎて経営者の持分が少なくなりすぎてしまったりと、痛い目を見ることになります。

また、会社が上場する際には株式市場からさらなる資金調達をしたり、企業価値を高めるためのM&A、株主還元政策の作成など、ファイナンス戦略は事業戦略と同等に重要な要素となっていきます。

このように、企業にとってファイナンスはImportant matterであるので、成功したいビジネスパーソンや経営者にとってファイナンスの教養は必須なのです。

企業評価の際に役立つ指標

企業を評価する際には、4つの要素に分解できます。
収益性・生産性・安定性・成長性
この4つのうち「収益性・生産性」は原因であり、「安定性・成長性」が結果です。
なので、企業評価の際には「収益性・生産性」に着目するとGoodです。

では、収益性と生産性はどのようにして評価すれば良いのでしょうか。
答えは、ROAに注目することです。

ROAとは、Return on Aseetsの略で、「総資産を活用してどれだけの利益を生むことができたか」と、資産に対する利益創出の効率性を測るための指標です。

似たような言葉にROEがあります。
ROEはReturn on Equityの略で、「純資産を活用してどれだけの利益を生むことができたか」と、資産の中でも純資産(株主から得た資金)に対する利益創出の効率性を測るための指標で、株式市場で企業の評価指標として使われることが多いです。

ROAの計算式は「利益÷総資産」です。
利益は本業からの儲けである営業利益を使うのがベターです。

ここからが重要なのですが、ROAの計算式は以下の2つに分解することができます。
①「営業利益÷売上高」×②「売上高÷総資産」
①は営業利益率、②は総資産回転率ですね。

営業利益率は、「売り上げに対して何%の利益を創出できているか」という収益性を測ることができる指標で、総資産回転率は「企業が資産を使ってどれだけの成果(売上)を達成できたか」を示す生産性の指標です。

営業利益率が高いほど収益性の高い企業ですし、総資産回転率が高いほど生産性の高い企業となります。

このように、ROAは2つの要素に分解ができるので、ROAで企業を評価すれば、収益性と生産性の度合いまで深堀りできるのです。
ちなみに、日本の上場企業の平均ROAは5%で、営業利益率は6%、総資産回転率は0.8回です。(5%=6%×0.7)

このように、ROAを起点にカンタンな企業分析ができると、営業で企業に訪問する前や得意先、買収先選定時の初期段階などで企業の財務分析をするときにピカッと輝くビジネスパーソンになれます。

僕はもともとROAについて知ってはいたのですが、2つの要素に分解して企業のキャラクターを分析できるという点は気づかなかったので、この部分は興味深く思いました。

株主資本コストは「株主を満足させるためのコスト」

資本コストとは、企業側から見て資本(資金)を調達するためのコストです。これは裏返すと、投資家から見ての期待リターンでもあります。

例えば投資家Aの前に投資案件aとbがあるとします。
投資案件aは大手企業で現在100万円投資すれば来年には105万円になる確率が高い株式です。
投資案件bはベンチャー企業で、まだ実績も少なくいつ倒産するかも分かりません。
あなたが投資家Aだったら、どちらに100万円を投資しようと思いますか?
答えは、「投資案件bのリターン次第」ではないでしょうか。
投資案件bのリターンが100%(来年には200万円になる)であれば、もしかしたらbに投資するかもしれないですよね。
この場合、1年間の期待リターンは案件aが5%、案件bが100%となり、これが資本コストと同義になります。
投資案件bの企業は100%のリターンという資本コストを抱えるのです。

資本コストには有利子負債(借金)資本コストと、株主資本コストの2種類があります。
有利子負債資本コストは借入利息の金利とほぼ同じです。(利息は税引き前に支払うので節税効果があるため、実際の有利子負債資本コストは金利より少し低くなります)
株主資本コストは前述したように、株主の期待リターンに答える(株主を満足させる)ためのコストとなり、CAPMというモデルで導き出します。

CAPM
株主資本コスト=リスクフリーレート+ベータ×マーケットリスクプレミアム(株式マーケットのリターン-リスクフリーレート)

リスクフリーレートとは、「リスクのない投資に対する期待リターン」なので、国債の利回りが使われます。

マーケットリスクプレミアムは、「株式市場が安全な投資商品である国債に比べてどれだけ高いリターンを期待できるか」を示した値です。

ベータは、評価株式がマーケット全体に比べてリスクが高いか低いかを示すものです。1より大きければマーケットよりも株価の変動が激しい(リスクが高い)ということで、1より小さければその逆です。マーケットと同じ値動きであれば1となります。

僕が面白いと思ったのは、本書中で株主資本コストを「他社でなく自社を選んで頂くコスト」と言い換えており、株主資本コストの意味がクリアーになっていた点です。

配当や自社株買い、株価の値上がりといった形で株主資本コストを満たせない企業は、投資家の期待に応えられていないということなので、投資家にそっぽを向かれてしまい(株式を売られる)、株価は下がり、企業価値が下がります。
企業価値が下がると、いざエクイティファイナンス(株式による資金調達)をしようと思っても難しくなってしまい、最終的に資金繰りに困ってしまうかもしれません。
株主資本コストはこれくらい大切なことなんですね。

蛇足ですが、デットとエクイティではデットの方が資本コストは小さいです。というのも、デットの投資家の方が負っているリスクは小さく、かつ企業にとって節税効果もあるためです。
とはいえ、デットを増やしすぎると倒産リスクが高まってしまうため、デットとエクイティの最適バランス(最適資本構成)を保つことが企業にとって大切です。

デットの活用による「レバードベータ」の考え方

企業には「事業リスク」と「財務リスク」という2種類のリスクが存在します。
事業リスクは業績に関する振れ幅のことで、財務リスクは「デットの活用がリターンに与える影響に関する振れ幅」のことです。

例えば、A社とB社は業績が好調だと営業利益が70になり、業績が不調だと30になるという事業リスクが同じ場合、資本構成が違うと財務リスクは変わってきます。

財務リスクを図るために、デットを活用している会社と100%エクイティの会社のROEの振れ幅を見ると、デットを活用する会社の方が上振れ/下振れ時の財務リスク(ROEの振れ幅)は大きくなります
要するに、業績上振れ時のROEはデットを活用している方が高く、逆に下振れ時は低くなるのです。

このように、会社の資本構成が財務リスクに与える影響も織り込んだ総合的なリスクを「レバードベータ」と言います。
この概念は僕にとってなじみがなかったので、デットの活用を考える上でとても興味深かったです。

以上。

本書ではもっと深い部分(DCFや競合データを用いたM&Aでの評価方法やIRにおける活用など)も説明されていて面白いのですが、内容がかなり濃いので今回はここまでにします。

またGWとかで時間ができたら、そこの部分も発信したいと思います!

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