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ストアーズにおける新規領域のプロダクトマネージャーの役割

こんにちは。STORES 株式会社でプロダクトマネージャーをしています、曽根です。
STORES(ストアーズ)は今年1月、美容室やサロン向けのサービスを強化する方針を打ち出しました。

このブログでは、新規領域のProduct Market Fit(PMF)達成に向けて、ストアーズのプロダクトマネージャーがどのような取り組みを行なっているかを記載できればと思います。

「ストアーズってECの会社じゃない?」と思われる方は以下もぜひご参考ください。

新規領域に求められるプロダクトマネージャーの役割

新しい領域に進出する際には、既に先行プレイヤーが存在することが少なくありません。
サロン業界に関しても例外ではなく、市場規模が大きいため、バーティカルにサービスを展開している先行プレイヤーが多数存在します。(参考: 美容業界カオスマップ
そのような業界に、ストアーズのようなマルチバーティカルなプラットフォームが参入することは大きな挑戦でしたが、他業界の選択肢も比較検討した上で勝機があると仮説を立て、サロン業界への進出を決定しました。
競合プロダクトが10年以上サービスを提供している業界において、彼らよりいかに最短で高い価値を提供できるかが勝負となります。我々がこれまでプロダクトを提供してきた業界とは慣習や業務フローが異なる部分も多く、改めて誰に何を届けるかを昨年から模索してきました。

高い価値を生み出し、提供していくために新規領域のプロダクトマネージャーとして求められていることは、シンプルに、顧客解像度を高めること、そしてその解像度をもとに、顧客に正しい価値を最短で届けることの2点です。かつこの2点を如何に精度高く行えるかを考えることが求められます。

上記を達成するために必要なことは全部やる!くらいのスタンスが必要だなと感じてもいます。

顧客解像度を高める

PMF達成の鍵となる顧客理解においては、あらゆる角度から接点を作り、顧客の解像度を高めていきました。
2日に1回はサロンのオーナーさんと話す機会を意識的に作り、何を考え、どのような課題を抱えているか、課題解決のための現状の回避策は何か等をヒアリングや業務観察を通して把握していきました。昨年はストアーズを使ってない事業者へのインタビューが中心であり、仮説検証までに止まることが多かったですが、今年1月からストアーズを利用するサロンオーナーが増えたことで、業務・業界理解にどっぷり浸かることができ、提供する機能やプロダクトを一緒に考えることができています。

具体的に行っていることは以下の通りです。

展示会で生の声を集める

ストアーズは各種展示会に積極的に出展しています。展示会にプロダクトマネージャーが参加することは日常的で、私もBeauty World Japanなどの展示会に参加し、生の声や市場状況の情報を集める動きをしました。
展示会では一度に多くの顧客と接点を持つことができ、訴求メッセージが刺さっているかの検証や市場状況の把握が迅速に行えるので参加はおすすめです。

Beauty World Japan 東京の写真

セールスの商談に同行し、課題解決をその場で提案する

ターゲット層の事業者の商談に同席し、商談に至った経緯、現在感じている課題、将来達成したい状態、不足している機能などをヒアリングしました。商談の場でプロダクトサイドの人間として要望の回答を行うことで裏にある課題や、現状オーナーさんが行っていることの理解が促進されます。
また、同席するだけでは存在意義が無いので、現状ストアーズで提供できていない機能要望や提供価値があった場合には、実現するための方法を提案していきました。必要であれば追加開発の具体内容やスケジュール感もお伝えしています。

来訪を通してオーナーさんの言動ではなく行動を把握する

サロン事業者に限らない話ではありますが、顧客解像度を高めるには自分の目で見て体感することが一番効果的です。(弊社の社外取締役の澤田さんの言葉をお借りすると「現場がすべて」)
オーナーさんがオフィスから近い距離にあれば店舗に伺い、業務オペレーションを観察する機会を作っていきました。

来訪時に意識することは言動ではなく、行動を見ることです。ノンバーバルな部分を解釈し、業務フローの最適化や潜在的なニーズを洗い出すことを意識していきました。

名古屋まで行って新店舗オープン前日に立ち会わせてもらった時の写真

自身で新規顧客へのアウトバウンド営業や商談を実施する

これまでの方法で、既存オーナーへの業務プロセスの理解は捗りますが、何に興味を持ってストアーズを検討し始めてくれたかが分からず、リード創出のための価値は何かが把握しきれない課題感がありました。そういった課題を解決するために、自身でもセールス活動をやってみたりもしました。
自身でアウトバウンドコールや商談をすることでストアーズが提供する価値を端的に伝えるための感覚が研ぎ澄まされてきました。
(営業スキルが高いわけではなく、セールスとしてはバリューが少ない自分を受け入れてくれたセールスチームには本当に感謝…)

事業部のレビュー会で発表したスライドのほんの一部

顧客に正しい価値を最短で届ける

最短で不足機能を洗い出す

上期はターゲット層が当たり前と捉えている機能を作り切ることをゴールとしており、そのような機能を順次リリースしていきました。後発であるため、競合プロダクトには既に実装されているが、ストアーズには無い機能はやはり存在します。それら一つ一つに対して、平面的に機能を拡充していくだけだと数年単位の時間が必要になります。そのようなスピード感では競合に勝つことができないので、差分のある機能が本当に我々が解くべき課題であるのかを1つ1つ見極めながら最短での価値提供を目指していきました。

Day1から利用してくれる事業者を見つける

上記で言及した機能が使われない機能にならないためにも、リリース初日から使ってくださるオーナーさんを見つけ、彼らのオペレーションに深く入り込める機能であるかをリリース前に検証していきました。
初日から使ってくださるオーナーさんを最低でも数オーナー把握しておき、リリース後すぐに使っていただく形を取っています。

複数プロダクトで価値を創出する

また、弊社の強みの1つとして、フロントオフィス領域のプロダクトを複数提供していることが挙げられます。

直近ロイヤリティもリリースし、6つのプロダクトを提供しています。

私はSTORES予約のプロダクトマネージャーではありますが、サロン業種のオーナーさんは予約だけでなくレジ、ネットショップ、決済、データ分析等の複数プロダクトを導入いただく方が他業種よりも圧倒的に多く、クロスユース率が高い業種であります。
そのため、サロン領域のPMFを考えると予約以外のプロダクトを含めた提供価値を考える必要があり、他プロダクトのロードマップに影響を及ぼす動きも必要となりました。昨年まではSTORE 予約 を通しての価値提供のみを考えるのみで十分でしたが、今年は6つのプロダクトを通してのオーナーさんに提供できる価値を考える必要性が出てきており、難易度も面白さも上がってきていると感じています。(今年以降はさらに数プロダクトを増える予定です)

さいごに

新規領域に向けてプロダクトを提供し始めて半年が経ちましたが、現状では昨年比で3〜4倍のMRRを達成しています。とはいえ、コアターゲット層にはまだ提供できる価値があると考えているため、マクロ環境とオーナーさんのニーズのミクロ環境を照らし合わせて、彼らにとって魅力的な価値が何になるのかを検証している段階です。「サロン業界にストアーズが提供できる価値は何か」という根本的な問いに日々向き合っています。
今回はサロン業界に関して言及しましたが、ストアーズはフロントオフィス領域の中で複数の領域で価値提供を進めています。より多くのオーナーさんへの価値提供を増やすために、全社的に新プロダクトを次々と作っていくフェーズに突入しています。ただ、作りたいものに対してプロダクトチームのメンバーは全然足りていないので興味ある方はぜひカジュアル面談からなどお気軽にお声がけください!

それでは〜〜。


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