10分間

わたしはボーリングをしていた。
ゴロゴロとボールが転がり
ガッシャーン
とピンが倒れてストライクを出した感覚があった。

ふと気がつくと
ふとんの上でぼんやりしていた。
外では滝のような雨。

そうか、
夢の中のボーリングの音は
雷鳴だったのね。

夜空ではさらに白熱したボーリング大会が続いている。

外にいる人たちは大変だろうなぁ。

水が飲みたくなって起き上がった。

ジャバジャバ
ぴしゃぴしゃ

ゴロゴロ
メリメリ
ドカーン

ゲリラ豪雨はすっかり夏の風物詩になったな。

5分くらい、耳を傾けていたけれど
ふいに雨の音が弱くなる。

雷鳴も少し遠ざかったみたい。

雨雲が離れて行ったのかな。

さらに5分後には、すっかり静かになっていた。

ほんの10分間の出来事。

部屋が蒸し暑くて
エアコンの温度を一度下げた。

猛暑、酷暑なんて言葉はもう当たり前。

最近では災害級の暑さなんて表現もあるけれど
それも数年後には当たり前になるだろう。

そうやって少しずつ地球は変化して
そのうち人類が住めない星になって
いつかは全部消滅してしまうのだろう。

そんなことさえ
宇宙の歴史の中の
ほんの10分間程度の出来事なのかもね。

明日は何時に起きるんだっけ。
そんなことを考えながら
もう一度眠りについた。

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