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読書と日記 2024-06-26

0623 ずっと雨

朝比奈秋さんの『サンショウウオの四十九日』を読み始める。何か変だ。途中で登場人物が分からなくなる。戻って読み返してみる。読み飛ばしは無い。仕方なくそのまま読み進めると途中で意味が分かる。まさかそんな設定だとは思わなかった。だから、違和感がずっと付き纏っていたのだ、と納得する。

まだ読み始めだが、小説からはただならぬ気配が漂う。芥川賞候補作を2作品読んできたが、設定では1番インパクトがある。

朝比奈秋さんの作品は初めて読む。
医師で作家、賞もすでにいくつか受賞されているとのこと。ある日、頭に映像が浮かんできて、それを書かずにはいられなかったとのこと。さらに、仕事中もその症状が出て、勤務医だったが辞めて、フリーランスになったそうだ。それからは、ある種、引きこもり状態で書き続けて、5年ほどで賞を得て、デビューしたとのこと。映像が浮かんできて、書かずにはいられないってどんな感情なんだろう。医師の仕事にも支障が出るくらいって、凄いな。

宮崎智之さんの『平熱のまま、この世界に熱狂したい』を読む。タイトルにもなっている「平熱のまま、この世界に熱狂したい」を、読む。
タイトルが良い。うん。やっぱり良い。

変化の激しい世の中で、凪の状態に身を置くこと。それは退屈な人生を意味したり、日常に埋没して思考停止したりすることではないのだ。日常にくまなく目を凝らし、感じられるものの純度を高める。そして切り替わった瞬間の風を全身で、肌で感じとる。そういう生き方である。

宮崎智之『平熱のまま、この世界に熱狂したい』p54

雨が降っている。
朝からずっと降っている。

映画『春に散る』を観る。
ボクシング映画。横浜流星さんが死ぬほどカッコイイ。
また、何かのニュースで読んだが、この映画を機にボクシングのプロテストを受けて合格したそうだ。どこまでもストイック。凄い。
ボクシング映画には、何故か、怪我や死がそこまで迫っているという切迫感がある。この映画にもそういった、もう後が無い、今しか無い、という感情が描かれている。破滅に向かおうが、今この瞬間に全てを賭け輝く登場人物に感情が揺さぶられる。白髪姿の佐藤浩市さんも渋すぎた。

雨は止まない。

「NHK短歌」を観る。
視聴者からの投稿で良いなと思った短歌が紹介される。

玄関を 開けて光を 浴びるたび 主人公だが 夢とかはない

NHK短歌6月23日放送

夢とかはない、が最高だ。


0624 著者の頭の中


『サンショウウオの四十九日』を読む。
物語の設定が分かったから、読みやすい。
主人公のこれまで歩んできた人生を振り返るパート。
それにしても、作者は、何故このテーマを選んだのだろう。医師という職業柄も関係していると思うが、頭に映像が浮かんでくるとのことなので、このテーマも映像が浮かんだということか。著者インタビューがあれば是非とも読みたいと思う。著者の頭の中を見てみたい。

なんとなく『カンブリア宮殿』を観る。
京都で野菜中心の飲食店を展開している五十家コーポレーションに密着した回。自分の会社が持っている農場から、朝野菜を摂ってきて、夕方、店で出す形態らしい。働いている人たちがとても楽しそうに見える。いや、テレビだからそういう風に映しているだけかもしれない。
社長が、働いている人たちの独立を積極的に応援したい、と考えているとのこと、小さい時は実家の農業が嫌だったこと、あることがきっかけで変わったこと、などを語る。
やっぱり画面に映る人々は、楽しそうだ。
メニューを先に決めてから食材を仕入れるのではなく、旬の野菜が摂れたから、その野菜を使ってどうメニューにしていくかを考えているとのこと。
知っている京都の街並みが画面に映る。


0625 ヤクザと中学生

『サンショウウオの四十九日』を読む。
どんどん面白くなってきた。主人公の思考がどんどん表に出てきて、内容に深みが出てきた。もっと読みたかったけど、悩んだ末、30分ほど読んでやめる。今日は映画が観たい。

映画『カラオケ行こ!』を観る。
コメディなのは分かっていたけど、綾野剛さんの歌い方に笑ける。ヤクザと合唱部の中学生が歌で繋がって、カラオケ行って練習するだけなのに、ほっこりする。多分、関西弁なのが良い雰囲気出している。中学生がヤクザに関西弁で文句を言っている場面もよかった。紅の英語の箇所を関西弁に訳して、綾野剛さんが読んでる場面も良かった。最後はちょっと感動する。そんな良い映画だった。


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