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摂食障害をもつ Iさんのセッション①




13年前に摂食障害だと診断されたものの、それよりもさらに数年前の高校生の頃からその症状がでていた Iさん。(Iさんとのお話から記録していこうということになりました)

特に毎月の生理のころ、過食がひどくなり、詰め込んで吐くという感じだったそうです。


症状は?という質問に

頭からの命令にしたがいうごいてる。命令とあと排便の兆しあるまでたべ続けてしまう、、それが辛くて飲みたくないっておもいながら下剤を使ってしまう。お腹が痛い。詰まった感じ。あぁ、もう限界。揚げ物やアイスクリーム、同じものばかりを買って詰め込んでしまう。お腹が少し満たされると一瞬だけ安心感のようなものを感じる。どうして食べているんだろう?と思いながら食べる。食べると焦りを感じる。とっとと吐いてしまわなきゃと思う。嫌だなぁ。本当はおいしく食べたいのに。アメとかひたすら食べてしまう。いつ終わるの?と思う。次したいことあるのに進めない。次の行動ができない。胃が痛い。トイレにも時間がかかる。スッキリしない。食べたいものを食べようと思っても、どうせ吐くならと決まったものを食べてしまう。毎日のきまりを守ることに疲れる。こんなにお金使ってもったいない。食べるのが怖い。一度吐いた後、好きなものを食べてもまた吐いてしまう。消化不良。詰め込みたいと思う自分に、それ必要?って。ま、いいやってやっぱり食べる。スーパーで何食べようとひとつひとつ細かく吟味しすぎて、疲れる。思い通りにならない。食べたいと思ってもまた詰め込むのかと思うともういいやって食べること放棄してしまう。いつも葛藤。自分を守ってる感じ。逃げたくないのに逃げてるしまう。出るものもの出きらないで詰まってくる。自分を責めそう。責められてる感じ。何かしていないとって、行動が止まるのが怖い。寂しい。切ない。絶望感。とにかく恐怖。追い詰めてるなぁ。つじつま合わない。したいこともできない。後悔。症状はひどくなるばかり。。。疲れる。


Iさんに何が起こってそう?

戦争。外側から攻撃うけて、身体の真ん中からお腹を守ろうと攻撃し返してる感じ。お腹を守ってうずくまってる。何か白くて丸くて柔らかくて弾力性のあるソフトバレーボールのようなものを守ってる感じ。


そこから出てきた、過去の辛くて怖い記憶。

子どものころの Iさんにとって、家はとても居心地の悪い場所だったそうです。


お母さんに向かって暴言を吐くお父さん。お父さんの気分がころころ変わるたびにIさんは振り回され、湧きでる怒り。外づらはよかったため、家族以外の人にはお父さんのひどさを分かってもらえない。表裏のありすぎるお父さんにひどく戸惑いを感じていました。ある時は「出ていけ!」と怒鳴られ、お母さんと一緒に家をでたこともあったそうです。そんな辛い記憶がどんどんと甦ってくるようでした。



私たちは皆、うんと幼い頃から両親や自分を囲む様々なことについて一生懸命に考え、いつもその時点での知識や経験を最大限生かし、その瞬間瞬間ベストを尽くしているものです。

けれど、目の前の現実についてきちんと心で受け止められない場合、こんな辛い思いはしたくないとの心の深いところでの恐怖等から、無意識に感情にフタをしてしまいます。行き場を失った感情エネルギーは様々な形で体を使って表現しはじめます。

摂食障害は、迷子になってしまったネガティブ感情の一つの表現手段なのですね。Iさんの場合、まずはご両親との辛い出来事が摂食障害からの回復ヒントになりそうです。



一つひとつの場面に向き合い、自分自身に寄り添っていくIさん。つらいけど守ってあげたい。でもどこかでそんな思いも跳ね返されているよう。胸に黒いトゲがあるみたい。大丈夫大丈夫って声をかけてあげるんだ。私がいるから。ついてるよ。そう言い続けてたら、黒いトゲがちょっと小さくなってきたみたい。ちょっとほっとしたかな。


抵抗感も感じながら、その抵抗感にも優しく、傷ついてる自分にそりそってあげるIさん。しばらく静かに根気強く続けていると、大丈夫だよって背中さすってもらいたかった!安心感が欲しかった!これを一番望んでたんだ。


お父さんへの腹が立つ、殴りたい、という気持ちにも寄り添ってあげます。胸がひどく重苦しい。バラバラだよ。


感じられるだけ感じていると、痛みや感覚は自然に変容していきます。


腰とか背中、あ、いつも吐くときに力いれてる場所かな。痛い。さすってあげよう。暖かい手で、光で癒してあげよう。ダメみたい。ダメみたい。ダメみたい。ダメみたいな感じも感じてみる。



体力や気力等のこともあり、通常のセッションの3分の1ばかりでひとまず終了としました。モデルさんなみの身長に体重36㎏ほど。それでも一日動き回っている Iさん。しかも心がやっと静まりセッションできるのは夜中です。身体を横にし、できるだけ楽な格好で受けていただきました。















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