見出し画像

イタリアワインを楽しもう②・・概論2

イタリアワインを楽しもう①・・概論1 からの続きです。できれば概論1から読んでいただけるとわかりやすいです。

そして今回だけはイタリアの州と主なブドウ品種を羅列しています。後からでも見返せるように作っていくつもりです。

画像3

イタリアワインの特徴

南北に伸びたイタリアの国土、20州全てでワインが作られており、その気候風土は多様で様々なワインが産まれています。ブドウ品種もイタリアしかないブドウ、いわゆる土着品種を多く使ってます。

またイタリアのワイン法も緩いところが多く、同じ「キャンティ・クラシコ」でも使うブドウ品種や最低熟成年数などは決まっていますが、その比率や熟成方法などは生産者によって様々です。例えば新樽を沢山使えばそれだけ樽の風味が強くなりますよね。その加減は法では決まっていないので、作る人や作り方によって味わいはどんどん変わってゆくのです。

「気候風土が多様」「土着品種を多く使っている」「法律の基準が緩い」

この3点がイタリアワインを難しくしている要因なのです。

どこから紐を解くか?

イタリアワインは、ワイン法で決まっているDOCやDOCGワインを暗記するだけでは絶対に理解できません。体系付けて、一つずつクリアしていくしかないのです。体系とは、「産地」を理解し、「その産地の土着品種」を大まかに捉えて後は少しずつ飲み比べていくことです。

代表的産地

ではイタリアにある20州、特に重要でこれだけは覚えて欲しいワイン産地を紹介します。

画像1

ピエモンテ州バローロ、セッサルンガ村の協会と広がるブドウ畑。バローロのエリアは一面ブドウ畑です。

2大産地は「ピエモンテ州」と「トスカーナ州」

まずは、この2つの州です、イタリアを代表するワインが綺羅星のごとく存在します。

ピエモンテ州 

「バローロ」「バルバレスコ」「ロエロ」「モスカートダスティ」など。

特に「バローロ」「バルバレスコ」はイタリアワインの王、女王と例えられるくらい偉大でイタリア人が誇りを持っているワインです。

トスカーナ州

「キャンティ、キャンティクラッシコ」「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」「スーパータスカンと呼ばれるワイン達」

古くから貴族や教会がブドウ畑を所有するこのエリア。歴史と伝統があり、主にサンジョヴェーゼ種というブドウから優美なワインを産み出しています

また、歴史は浅いですが「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」そしてカベルネ・ソーヴィニヨンやメルロなどの国際品種を使って世界に目を向けて作り出された「スーパータスカンと呼ばれるワイン達」いずれも偉大なワインです。

多種多様、個性的なイタリアワイン!

もちろん、他の州にも個性的で美味しいワインが沢山存在します。

ヴェネト州・・「アマローネ・デッラ・ヴァルポリツェッラ」「ソアーヴェ」「プロセッコ」など。

トレンティーノ・アルト・アディジェ州・・州南部で作られる「トレントDOCのスプマンテ(※)」「国際品種を使った白ワイン」

ロンバルディア州・・・瓶内二次発酵で作られるスプマンテ(※)「フランチャコルタ」

フリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州・・・オレンジワインを世界に広めたと言われる「オスラヴィエのオレンジワイン」

アブルッツォ州・・コストパフォーマンスが良く、日本でも旨安赤ワインで登場する「モンテプルチァーノ・ダブルッツォ」

カンパーニャ州・・長期熟成に向くアリアニコ種を使った「タウラージ」、また復活を遂げた「土着白ブドウのワイン」

シチリア州・・エトナ火山の麓で作られる「DOCエトナ」。「国際品種を多く使った高品質のシチリアワイン」

紹介しきれないほど沢山ありますね。

(※)スプマンテはイタリアの発泡性ワイン、スパークリングワインです。

画像2


主なブドウ品種

イタリアワインは多くの土着品種から成り立ってます。挙げてゆくとキリがないのですが、代表的なブドウを少し紹介します。

黒ブドウ・・イタリアではワインと言えば赤ワインが伝統であり文化でした。もちろん近年はスパークリングワイン、白ワインも沢山飲まれています。

サンジョヴェーゼ・・イタリアを代表する黒ブドウで生産量も一番多いですエリアはトスカーナ州が多いですが、北部、中部、南部まで広がります。「キャンティ、キャンティクラシコ」のブドウ、「ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ」はサンジョヴェーゼ・グロッソという亜種100%です。

ネッビオーロ・・銘酒「バローロ」「バルバレスコ」はこのブドウ100%、晩熟で栽培が難しく、全土には広まっていないブドウです。イタリアで最も高貴なワインと言えるでしょう。地方によっては「キアヴェンナスカ」「スパンナ」という別名も。

モンテプルチァーノ・・主に中部イタリアで栽培される黒ブドウ。比較的、作りやすいブドウです。できたワインはボリュームのある果実味と程よいコクがあり、また安価で作れるので世界中で人気です。

バルベーラ・・主に北イタリアで作られる黒ブドウ。豊富なアルコール分と果実味があります。酸味をしっかりもっているのも特徴で、作り方によっては長期熟成するワインもあります。

アリアニコ・・カンパーニャ州を始め、南イタリアの一部で栽培している黒ブドウ。酸味、渋味を多く持ち、長期熟成に向く。代表的ワインは「タウラージ」

プリミティーヴォ、ネグロアマーロ・・どちらもプーリア州を始め、南イタリアで栽培する黒ブドウ。濃い色調で果実味が強く栽培も容易。昔はバルクワインにされていましたが、最近は樽を使った高品質ワインも多数あります。

ネレッロ・マスカレーゼ・・シチリア・DOCエトナを代表する黒ブドウ。火山性土壌と相性が良く、独特のエレガントなワインを産み出す。

白ブドウ・・近年の世界的な流行で白ワインの品質は向上しています。国際品種のシャルドネやピノグリ(ピノグリージョ)の栽培も多いです。

モスカート・・ピエモンテの「モスカート・ダスティ」を始め、微発泡の甘口ワインを作ります。華やかなアロマが特徴です。

グレラ・・世界で大人気のスプマンテ「プロセッコ」の原料となるブドウ。スティルで作っても品質は高いのですが、ほとんどは「プロセッコ」になります。

トレッビアーノ・・イタリアでも栽培面積の広い白ブドウ。多くはテーブルワインになりますが、稀に高品質ワインも。

ガルガーネガ・・ヴェネト州「DOCソアーヴェ」に使われる品種。近年、著しい品質向上があります。

ヴェルメンティーノ・・リグーリア、サルデーニャ、トスカーナの海を挟んだ3州が主な産地。アロマティックな香りでオイリーな質感の白ワインになります。それぞれの産地で特徴は変わってきます。

ヴェルディッキオ・・中部イタリア、マルケ州の土着品種。アロマティックでフルーティな味わい。コストパフォーマンスの良いワインが多く、また樽との相性が良いので高品質のワインも多数あります。

カタラット、グリッロ、インツォリアなどシチリアの白ブドウ・・もともと生産量も多く昔はマルサラワインの原料に多く使われていました。フレッシュ&フルーティの辛口白ワインになります。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?