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【南チロルの風】コラム11で紹介したワインの案内

3世代続くニーノ・フランコ社は、現オーナーでもあるプリモ氏の祖父アントニオ氏が、1919年の第一次世界大戦後「カンティーナ・フランコ」という名でワイン産業に参入します。

アントニオ氏の息子ニーノ氏と共に、カンティーナは品質と規模を向上、拡大していきます。1970年代にニーノ氏の息子、プリモ氏により近代技術が導入され、その品質は不動なものへと変わっていきます。

コネリアーノの農業大学を卒業後、プリモ氏はまず自社畑の区画を見直し、場所によってはそのブドウを一切使用せず、醸造段階においても品質の安定を第一目的としていました。

この時代、質よりも量を生産するプロセッコの作り手が多かった中で、彼らは質を目指したのです。同時にマーケティングにも力を入れ、イタリア国内だけでなくヨーロッパ各地、アメリカ、アジアへも輸出を始めます。

そして今日、このカンティーナの特徴とも言えるのが、14世紀に同じヴェネト州で選抜されたプロセッコのクローンを今でも維持して使用しているということでしょう。

第二次世界大戦後、周りでは品種の植え替えが行われる中、創業者のアントニオ氏、それを引き継いだニーノ氏は周りに影響されずに自分たちの意志を貫き通しました。

このようにして伝統を引き継いだプロセッコは、輝く麦藁色に断続的で細かな気泡、洋梨や熟したリンゴ、またはアカシアの花を連想させるほのかに甘い香り。味わいは泡から感じられる柔らかく包み込む口当たりと後味に広がる酸味が調和している味わい。

家族の絆は伝統と品質を引き継いできました。このプロセッコから始まった大切な友人との絆も、変わらず長く続いていくことでしょう。

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